No.7393は台湾の阿財雞絲麵、生麵外帶。高雄にある有名実在店における持ち帰り用の麺(15TWD≒70円)。スープは付属しておらず自前調達する必要があるが、大量の揚げニンニクが付いてきた。
▲阿財雞絲麵の店舗(台湾の高雄)
1951年創業
台湾では戦後間もなく(一説によれば戦前)から麺を油で揚げて長期保存性を持たせ、お湯で戻して食べる「雞絲麵」なる食べ物が存在し、ウチではこの形態を採る力山食品の「黒雞牌雞絲麵」を何度か紹介してきた。
▲力山食品の黒雞牌雞絲麵(2015年)
この度台湾へ行き、雞絲麵の有名店である高雄の阿財雞絲麵を訪れ、店舗で食べるとともに持ち帰り用の麺を購入してきた。製造方法からして日清チキンラーメンのルーツとも目されるこの麺を今回の試食記で採り上げる。スープは店舗の味を思い出しながら、粉末の鶏ガラと鰹だしを基に適当に作ってみた。
▲店舗で食べた阿財雞絲麵
(45+15(卵)TWD≒279円)
食べてみて、香ばしくて落ち着いた印象の麺。ベースとなる麺は細くて縮れがなく、ラーメンではなくそうめんに近い舌触り。気泡感・空洞感は殆どなく、適度な粘りやしなやかさがあって脆さは感じない。サラッとした舌触りは繊細でもある。
なので決して日清チキンラーメンにソックリだとは思わなかったが、油で揚げた香ばしさにはある程度の共通性がある。上で紹介した力山食品の黒雞牌雞絲麵とはよく似ているが、製造してから食べるまでの時間に大きな差があるようで、鮮度や香ばしさの点で今回の阿財雞絲麵の方が格段に上だと感じた。
店舗で出されたスープは味付けが控えめで優しい味。鰹だしが強く効いている反面、塩や醤油やうまみ成分は日清チキンラーメンよりもずっと控えめで穏やか。今回スープは適当に手持ちの調味料を合わせて自作したが、結構うまく店舗の味に近付けることが出来た(つもり)。また麺の揚げ油には豚脂も含まれるようで、これがスープに力強さを与えている。
台湾(全土かどうかは判らないが)では戦後間もなくからこの雞絲麵が出回り、これを台湾出身の安藤百福氏も食べていてチキンラーメンのヒントになっていたかもしれない、などと想像すると胸が熱くなるよ。(朝ドラ「まんぷく」の筋書きとは一致しないが)
今の時代にこの阿財雞絲麵が通用するかと問われれば、自信を持って今でも存在価値がある麺料理だと答える。そして店舗で食べた味はもちろん、自作したスープでもチキンラーメンよりも自分好みであると思った。
▲阿財雞絲麵の店内
麺は幅1.5mmの角断面で、そうめんを油で揚げたような舌触り。日清のチキンラーメンよりも気泡感が少なく、粘りがある印象。なので細いけれども頼りなさは感じない。麺同士の分離が明確で一本一本が自立しているかのようだ。ラードを含む油で揚げた香ばしさがあり、食欲を誘う。
▲持ち帰り麺あります。作り方はこうです、の表示
スープは実際の店舗で食べた味を思い出しながら、鶏がらスープと和風だしを合わせ、白胡椒とごま油と醤油を加えて自作した。薄口だが優しい味になり、結構うまく再現出来たと思う。麺を揚げた香ばしさと相まっていいバランスが取れている。麺を揚げた油が溶け出し、意外に力強さがあり腹持ちも良い。
付属の揚げニンニクは香ばしく、とても効果的だが、入れすぎるとこれが全体の味を支配してしまうので注意が必要。チキンラーメンとソックリではないが、香ばしく繊細でしっかりしている麺は、好ましい素材だと感じた。
国名 | 台湾 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | |
会社名 | 阿財雞絲麵 |
製品名 | 生麵外帶 Take away noodles 持ち帰り麺 |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで1〜2分 |
質量 | 内容量麺53g(実測) |
熱量 | 〜kcal (〜kJ) |
Na | ~g(食塩相当量〜g) |
付属品 | 揚げニンニク |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 1.5mmの角断面、そうめんを油で揚げたような食感、チキンラーメンより緻密で繊細 |
汁・ソース | (スープは付属せず) |
具・その他 | 揚げ物の香ばしさと力強さ、サラサラと軽快に食べられる、全然古臭さは感じない |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2023/11/13 |
賞味期限 | 2023/11/01 |
入手方法 | 2023/11/30 阿財鶏絲麺 |
税込購入価格 | 15 TWD (≒70 JPY) |