No.7423は台湾の臺灣菸酒(Taiwan Tobacco and Liquor)、台酒 花雕鷄麵。花雕は紹興酒のことで、レトルトの鶏肉付き。調理酒とリアルな肉が付いた袋麺という、日本には見られない製品。製造は維力食品工業。No.5500でカップ版を紹介している。
今まで統一企業の滿漢大餐など様々な台湾製レトルト具付き即席麺を食べた中で、牛・豚肉はもちろん羊肉にも遭遇してきたが、意外に鶏肉は珍しい。
紹興酒の小袋を丼へ入れる前に少し舐めたら、結構明確なアルコール成分を感じる。食べる時には高温で大部分は揮発してしまうだろうが、お酒は一切ダメという人は入れない方が良い。だが酒抜きでもレトルトの肉付きという特徴は十分に味わえる。
食べてみて、具とスープがゴージャスな雰囲気で、中華料理店で出てきてもおかしくない印象の即席麺。味と香りが織り成す空間が、縦横ともに広くて深いと感じた。例えるならば並の即席麺が六畳たたみ部屋とすると今回の品は宴会場ぐらいかな。
紹興酒の効果は食べてすぐに臭いと感じる程ではないが、やはり全体の深みがグンと増しているように感じ、大人の洒落た味になっている。またレトルトのリアルな鶏肉や具の甘酸っぱいクコの実との相性も良い。
お酒の付いた即席麺が日本で認められるものかどうかは判らないが、大人向け高級製品として市場を広げる可能性はあると思う。
ただ今回の品は喫食前の素の状態でかなり明確なアルコール成分があるので(ウイスキーボンボンよりもずっと強い)、ここまで強いと法規制などに引っ掛かりそうでもある。最近は国内でも台湾製即席麺がいろいろ出回っているが、この臺灣菸酒の製品だけは大々的に売られているのを見たことが無いし。本格的に日本へ進出してきたらきっとパッケージに「喫食後の運転禁止」などの警告文がデカデカと書かれるだろう。
麺は2mmの細い角断面で、軽いスープのとろみもあってサラサラした舌触り。輪郭は明快だが歯応えはあまりコシがなく、一本一本が主張する麺ではない。束になって存在感を出す感じである。揚げ麺のハンディはあまり感じなかった。
スープはまろやかかつ深みのある味で、紹興酒が鶏のうま味をじっくりと引き出している印象。僅かに薬膳とか漢方っぽい臭いが漂う。クコの実の甘酸っぱさがアクセントになっている。辛い刺激は無いものの、おもてなしに富んだ味で退屈さは感じない。
レトルトの鶏肉は大きくて量も多い。しっとりした食感だが、脂っぽさは少ない。
国名 | 台湾 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 710199 108963 |
会社名 | 臺灣菸酒TTL |
製品名 | 台酒 花雕鷄麵 (製造は維力食品工業) |
謳い文句 | |
調理方法 | 丼お湯入れ3分/ゆで3分 |
質量 | 内容量200g |
熱量 | 536.8kcal (2247kJ) |
Na | 2.536g |
付属品 | 粉末スープ(クコの実・キャベツ・ねぎ入り)、レトルト具(鶏肉)、調味油、料理酒(紹興酒) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 2mmの細い角断面、サラサラした舌触り、輪郭は明快、コシがなく強い主張はしない |
汁・ソース | 紹興酒によるまろやかな深み、薬膳っぽい香り、刺激は弱いがおもてなしに富んだ味 |
具・その他 | レトルトの鶏肉はしっかりした食感、油っぽさは無い、本格中華料理っぽい奥行き感 |
総合評価 | ★★★☆3.5 |
試食日 | 2023/12/25 |
賞味期限 | 2024/02/01 |
入手方法 | 2023/10/31 小北百貨 (Taiwan) |
税込購入価格 | 53 TWD (≒246 JPY) |