No.7218は岩手の釜石振興開発、釜石大吟醸らーめん 味噌味。製造は秋田の八郎めん。同じ組み合わせの姉妹品、うにらーめんをNo.7188で紹介している。観光土産的な雰囲気が漂う、結構お高い製品である(税込338円で購入)。
大吟醸という製品名からスープに日本酒を加えたのかな?と思ったら、浜千鳥(岩手県のお酒)の大吟醸酒麹を使ったとのこと。ということは粕汁のような濃厚な味が想像できるな。即席麺のスープに酒麹を使った製品はこれが初めての経験である。なお大吟醸とは精米歩合50%以下、お米の芯の部分だけを使って作られた日本酒のこと。
食べてみて、奥が深く立体感がある味。その上麺もスープに負けない手応えがある。具無しの素で食べても十分満足できる味で、税込338円という価格を安いとさえ思わせる。これなら下手な店舗のラーメンよりも良い。
酒麹の匂いが明確に主張し、これが味噌を有機的に励起させる。その結果、大空から深海へ至るほどのダイナミズムを獲得したのだ!(←この滅茶苦茶な表現を文面通りに捉えないで下さい)。これは大企業による大量生産の即席麺とは異なる景色である。一方で食べる人に緊張感を求める側面もあり、気軽さには欠ける。
今回の品は麺の茹で時間が6分と長く、その上湯切りを強いるものだが、その手間が必要不可欠な行為だと納得させるものがある。製造者の八郎めんは少し前までは北海道の菊水や藤原製麺に少し至らない部分があると感じていたのだが、今やそんな格差は無くなり、北海道勢とは違う個性を存分に発揮しているように思う。
麺は幅3mmの扁平断面。輪郭には若干の曖昧さがあるものの、隙間なく中身が詰まっているような、ずっしりとした強い重量感がある。歯応えや噛み応えにも重厚さがある。反面気軽さはなく、食べるのがひと仕事、労働の対価としてのご褒美という感じ。小麦粉の存在感を強く意識させる麺。
スープはとろみがある薄めの茶色。生の味噌を濃い豚骨だしで溶いたような、濃密な味になっている。さらに結構明確に発酵した匂いが感じられ、味噌味に深みを与える。塩分はかなり強く、またニンニクの香りと辛い刺激がある。とても強い味だが湯切りを行うため全般的にスッキリしてクリアな印象で、暗さや不自然さは感じない。骨太で重心が低く、しっかりした味のスープだ。
何も具を入れずに食べても 十分な満足感を得られるし、どんな肉や野菜を入れても、スープが負けることはないだろう。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 580340 930077 |
会社名 | 釜石振興開発 |
製品名 | 釜石大吟醸らーめん 味噌味 (製造は八郎めん) |
謳い文句 | 藤勇十割糀味噌 浜千鳥大吟醸酒粕使用 雑味を抑え、十割糀味噌の旨味、大吟醸酒粕の香りが引き立つ絶妙な黄金比 |
調理方法 | ゆで6分分離調理 |
質量 | Net129/麺80g |
熱量 | 423kcal (1771kJ) |
Na | ~g(食塩相当量7.9g) |
付属品 | 液体スープ |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 要 |
麺 | 幅3mmの扁平断面、輪郭はやや曖昧だが詰まった重量感がある、小麦の存在感が強い |
汁・ソース | とろみあり、生味噌を豚骨ダシで溶いたような濃厚な味、酒粕の包み込むような香り |
具・その他 | ニンニク臭と辛い刺激、強い味だが暗さはない、重心が低い、具無しで食べても満足 |
総合評価 | ★★★☆3.5 |
試食日 | 2023/01/29 |
賞味期限 | 2023/03/20 |
入手方法 | 2022/10/17 PASAR守谷上り線 |
税込購入価格 | 338 JPY |