No.5754はマルタイ、これだ。思わず末尾に「！」を付けたくなるような力強い商品名。発売は1967年5月でもうすぐ半世紀を迎えようとしている。深緑と黄緑の放射状模様を個人的にスイカ柄と呼んでいたが、近年遮光性の高いアルミ蒸着袋に変更されて黄緑の部分がメタリック調になり、後光が差し込むような荘厳な雰囲気すら漂ってくる。発売当初のパッケージ。当時の社名は泰明堂、定価30円、製品名の前後には『』が付いている。スパイスはまだ付属していなかった様子。この製品には深い思い出がある。一旦1983年に初入手し、デザインのインパクトが大きかったので食べるのを大いに楽しみにしていた。しかし大学の後輩が私の留守中に下宿に入り込み、その希少性も知らずに勝手にこの「これだ」を食べやがってしまった。その後九州へ何度か行って探し回ったが出逢う機会に恵まれず、初めて口にすることができたのは18年が過ぎたの2001年の末になってからだった。九州ローカルの即席麺だが豚骨味ではなく醤油味。でも醤油濃度はかなり薄めで塩ラーメンといっても良いぐらい。即席の豚骨ラーメンが出たのは同じマルタイが1969年8月に発売した「屋台ラーメン」からであり、広く一般的になったのはその十年後、ハウス食品「うまかっちゃん」が全国展開してからになる。