No.6931は徳島製粉、金ちゃん飯店焼豚ラーメン。1982年に発売されたレトルト具入りの高級即席麺。関東以北での入手は困難で、ウチとしても15年ぶりの試食となる。
▲珍しいフリーズドライ麺の金ちゃん飯店
(1980年中頃、複数種類あり)
1980年代初頭は第一次高級カップ麺ブームがあり、レトルトの具+フレーズドライの麺が売りとなる八ちゃん飯店焼豚ラーメン(横山製麺工場:2006年に廃業)なんてのも競合品だった。実は徳島製粉も1983年にフリーズドライ麺のための設備を導入してこの金ちゃん飯店焼豚ラーメンにも適用した時期がある(1989年に廃止)。
レトルト具付きの即席麺は日本ではあまりメジャーではないが、台湾では一つのジャンルとして確立し、複数の会社が製品を出している。
食べてみて、麺とスープが庶民的なのに対し、レトルトの具だけが未来の異次元空間から迷い込んできたかのよう。肉とメンマの二点だけ豪華主義とでもいおうか。でもこの二陣営が決して反発し合っている訳ではなく、庶民と貴族が仲良く打ち解けているようでもある。庶民とはいえ貧乏人ではないのに加え、どちらかといえば貴族が庶民に目線を揃えてくれている感じ。
そしてこの印象は15年前、いや初めて食べた40年近く前と大して変わっていない。1982年のレベルにおいても麺とスープは平凡であった。
麺は細めで角は無く、若干の気泡感がある。重厚ではないが、揚げ麺の香ばしさと相まって軽快な食感。適度な粘りもあり、頼りなさは感じない。昭和の時代の丁寧で健康的なカップ麺、という印象。
スープは濁り感がある淡い色。甘めで開放的な印象で、醤油が基本ながら若干の豚骨成分も混ざっている。味や香りに若干の粉末っぽさを感じる一方、レトルト具に入っている豚肉やメンマの煮汁が潤いや奥の深さを感じさせてくれる。
大きな焼豚は厚さ4mmぐらいのが三枚。適度に脂身が付いているため食べると力が湧いてくる気がする。メンマも肉厚でしっとりした歯応え。レトルト具の影に隠れた乾燥具材のネギとナルトも意外といい働きをしている。
食べた後に心が晴ればれしたようないい気分になった。レトルト具の豪華さもさることながら、庶民的な麺とスープの懐へ入り込むような親しみやすさもこの製品の重要な構成要素であると再認識し、そして凸と凹がピッタリ合わさることによって良い製品になったのだ。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 904760 010209 |
会社名 | 徳島製粉 |
製品名 | 金ちゃん飯店焼豚ラーメン |
謳い文句 | 新 一味うまい!! 調理済レトルトかやく 焼豚・メンマ入り |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net156/麺72g |
熱量 | 540kcal (2261kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量2.0+4.6g) |
付属品 | 粉末スープ、レトルト具(豚肉・メンマ)、かやく(ナルト・ねぎ) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めで少し気泡感がある、香ばしくて軽快な食感、適度な粘りもあり頼りなさは無い |
汁・ソース | 濁りがある甘めで明るい醤油豚骨、粉末っぽい香りとレトルト具の煮汁のしっとり感 |
具・その他 | 4mm厚の肉が3枚、適度な脂身が力強い、メンマも潤う、簡素な麺とスープに豪華な具 |
総合評価 | ★★★3 |
試食日 | 2021/07/09 |
賞味期限 | 2021/08/13 |
入手方法 | 2021/04/16 Kazue特派員様よりいただく |
税込購入価格 | (希望税抜小売価格 290 JPY) |