No.6667は中国の统一企业、满汉大餐 台式半筋半肉牛肉面。元々滿漢大餐は台湾の統一企業が発売したレトルトの肉塊入り高級即席麺(袋およびカップ)のブランドであるが、台湾統一の子会社でもある中国统一もこの名を拝借して裕福層へ向けて出したのが今回の品である。
射出成型によるカップの開口部は円形だが、底へ行くにつれて五角形に変形してゆく複雑なもの。東洋水産のQTTAも類似の造形(こちらは円から四角形)。私は昔三次元のモデリングをしていた経験があり、習熟のためこのような断面形状が徐変する立体を多数作ったもの。当時(20世紀末)hpのワークステーションを使ってたが、今なら安いノートPCでも同等以上のことが簡単に出来るんだろうな。
食べてみて、台湾の滿漢大餐と比べて上品になったというか、勢いが無くなったように感じた。台湾の滿漢大餐は贅沢な肉塊に対して荒っぽくてチープな麺とスープ、という対比が面白かったのだけど、今回の中国版は肉が小じんまりとした一方で麺とスープは台湾版よりもスムーズで、よく言えばバランスの取れた、正直に言えば面白味が無くなったように思えたのだ。
麺は太い扁平断面で、気泡感は盛大にある。日本の安いカップうどんのようでもあり、食感は軽快だがあまり高級感は無い。リアルなレトルトの牛肉に対しては相応しくないようにも感じる。しかし台湾の滿漢大餐は麺がもっと貧弱で、この差が更に激しい。
スープは液体を希釈するもので、滑らかでしっとりした舌触り。粉末スープの台湾版だといかにも粉末醤油!粉末香料!粉末調味料!という感じでワイルドかつ安っぽいものだったのが、随分と控えめで大人しく感じられるなあ。それでも台湾の牛肉麵っぽい独特な香りが微かに漂ってきて、大陸の味とは微妙な違いを見せてくれる。基本は醤油ベースの牛肉味で、脂っぽさは少ないけれど深みがある。レトルトに入っている調味液も効果的だと思われる。僅かに酸味があり、辛い刺激は控えめ。
レトルトの牛肉は細長くカットされており、台湾版と比べると小ぶりで迫力に欠ける(あくまで比較ね。十分に有難味はある)。製品名の通り赤身が半分で、残りは半透明なゼラチン質の筋。キョロキョロした舌触りでお肌に良さそう。脂身が入っていなかったのは個人的にやや残念。あとフリーズドライの青菜(ほうれん草か小松菜かちんげん菜?)が入っており、食感がリアルで牛肉と対比するアクセントになっている。
というわけで、同じ統一の滿漢大餐でも元祖台湾版と今回の中国版では容器も中身も結構違う。自由奔放で羽目を外しがちな台湾版に対してバランス協調型の中国大陸版といった構図か。どちらも現地価格で日本円換算300円ぐらいする高額製品で、価格相応の内容は備えているとは思うのだが、上流貴族の退廃的な快楽を彷彿させるような台湾版の方が面白いと感じる。
国名 | 中国 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 6 925303 793821 |
会社名 | 统一企业 |
製品名 | 满汉大餐 台式半筋半肉牛肉面 |
謳い文句 | Taiwan Braised Beef & Beef-tendon Noodles |
調理方法 | 熱湯4分/電子レンジ6分 |
質量 | Net180/麺85g |
熱量 | 570kcal (2387kJ) |
Na | 2.78g |
付属品 | 液体スープ、レトルト牛肉、ほうれん草?、フォーク |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 太い扁平断面で存在感大、気泡感が多く安っぽい、重厚なレトルト牛肉には合わない |
汁・ソース | 醤油ベースの液体スープでしっとり滑らか、台湾の匂い、意外に上品、刺激は少ない |
具・その他 | 肉は小ぶりで半分が赤身、残りはゼラチン質、FD青菜も有効、台湾版よりも大人しい |
総合評価 | ★★★3 |
試食日 | 2020/04/07 |
賞味期限 | 2020/02/28 |
入手方法 | 2019/10/23 Kihara特派員様よりいただく |
税込購入価格 | 約20 CNY/RMB (≒310 JPY) |