No.6634は日華食品、Nikka Ramen Chicken Flavour。タヒチ向け製品で製造は中国。今までカニ・エビ味を紹介してきて今回は鶏。他にポーク味も見掛けたが荷物が一杯だったので購入は断念。
Nikka Ramenはスーパーで遭遇するまでその存在を全く知らず、表記は英・仏文のみで日本語の社名すら判らない。帰ってから住所を頼りに調べたら「日華」であることが判明した。
この社名には聞き覚えがあった。東洋水産の創成期を題材とした高杉良の小説中におけるライバル企業名がこの「日華食品」であり、社長の安東福一氏は狡賢い卑怯者という設定。NHK朝ドラ「まんぷく」立花社長の善良な発明家という描写とは正反対で、モノの見方はいろいろだなあと感じさせられる。
私は会ったことも喋ったこともないので、どちらの人格が実際の安藤百福氏に近いのかは判断できない。ただ現実にはNHKの朝ドラの影響もあっていい人・すごい人というイメージが既成事実化されちゃったし、今後の言論空間でこれを否定することは絶望的に難しいと考える(公の立場で文章を公開するのって、ものすごく制約が多いので)。個人的な印象としては、偉人というものは後から作られる(こともある)んだなあ、みんなが褒める人には気をつけろ、ぐらいに思っている。
食べてみて、先に試食したカニ味とエビ味は殆ど違いが判らなかったが、今回のチキン味はそれらとは少し違う。妙な甘ったるさが消えたのは好ましい。とはいえ、昭和40~50年頃の袋麺みたいに郷愁を誘う感覚は同一であり、近年の日本におけるもちもち麺や濃厚スープとは縁のない世界である。
麺は細めの角断面で、柔らかめだが輪郭は明確。歯応えは単調で平凡。変な味や香りはしないが、食欲を奮い立たせるようなものではない。たぶんカニ味・エビ味と同じ麺を使いまわしているものと思われる。
スープは濁り感がある茶色で、薄いけれども醤油の香りがある。前述の通り既試食のエビ・カニ味とは甘みが控えめになったことをはじめとして違う味であることは判るのだが、でもこれがポーク味と言われても納得してしまうような曖昧な味でもある。うま味や香りに関してはやや人工的かつフワフワした印象。辛い刺激や尖った部分の無い穏やかな味。高級感は無いし、生のラーメンっぽい部分も皆無である。
でも、家の扉を開ければウイルスの危機、為替や株価は大変動、この先何が起こるか判らない中、丼の中限定とはいえ争いの無い平和な世界というのは価値があるんじゃないかと思うのだ。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 939455 920235 |
会社名 | 日華食品 |
製品名 | Nikka Ramen Chicken Flavour(タヒチ向け製品、製造は中国) |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net85g |
熱量 | |
Na | |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの角断面で輪郭は明快、柔らかめで歯応えは単調、昭和の古風な袋麺という感じ |
汁・ソース | 濁り感がある、薄い醤油味、チキンともポークとも言えそうなやや人工的で曖昧な味 |
具・その他 | 辛い刺激や癖は無い、今風の歯応えや濃厚さとは皆無だが、郷愁を誘うホッとする味 |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2020/02/24 |
賞味期限 | 2020/01/16 |
入手方法 | 2019/07/06 Papeete (Tahiti/French Polynesia) |
税込購入価格 | 90 CFP (≒90 JPY) |