No.7532は新潟県の三旺食品、佐渡金銀山 焼あご塩らーめん。ウチで扱うのが珍しい生麺を使うカップ麺。なお麺を有機酸溶液で処理した「生タイプ麺」とは別物。購入日から賞味期限まではひと月半以上余裕があった。
私は乾燥していない麺の製品が嫌いな訳ではないが、巷には和風麺を扱う小さな会社の製品が沢山あり、これらを試食記の対象に含めるとi-ramen.netの印象が散漫になってしまうと考え、基本的には収集対象外としている。だが今回のように面白そうな製品を見つけた際はその限りではない。
佐渡へ行った際に購入した品。佐渡金山が世界遺産に登録されるタイミングに合うかな?と思ったが、未だ決定には至っておらずちょっと残念。
食べてみて、生麺の存在感によって強固に守られて、あごだしをはじめとした潤沢にうま味を出したスープが自由奔放に主張しているような印象を受けた。一度も乾燥状態を経ていない麺はその佇まいが自然で、残留応力がない(←比喩です)ような印象。
もちろん熱を加える等で乾燥させ、鍛えたような食感や香りを出すことの意義も認めるが、生麺のストレスフリーな感覚は普通の即席麺に慣れた舌にはとても新鮮なものに映る。さらに本製品は有機酸処理もしていないので、一般的な生タイプのうどんと比べても、表面を侵されたような痕跡がない。
この強い存在感の麺のご加護の下、スープと具が何の制約もなく好き勝手にやっている。何の制約もなくというのは言い過ぎかもしれないが、本製品の購入価格は税込650円なので、コスト的な制約は一般的なカップ麺よりも少ないだろう。
そういう意味で、本製品を食べることによって世知辛い世俗のしがらみを一時的にでも忘却することができる、かもしれない。
麺は2.5mmの角断面で、乾燥状態を経ていないリアルな舌触りと香りがある。こわばっておらず力の抜けた優しい食感。コシとか自己主張は強くないが、どっしりした重量感がある。打ち粉がまぶしてあるが、スープに雑味が混じる感じは無い。この製品は冷蔵保存の必要はないが、丁度チルド麺みたいな食感の麺である。
スープは濁りがある淡い色で、とても甘い。軽快な印象のあごだしが強く出ている。焼あごといっても、下手な焦げ臭さや乾燥臭さの演出がないのは良い。うま味は複雑でまろやか。畜肉エキスや他の魚介のうま味も感じる。醤油の香りや辛い刺激、酸味はない。
具はシート状に乾燥していない大量のばら海苔が、香りと歯応えで個性的。白胡麻も多い。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 962678 012067 |
会社名 | 三旺食品 |
製品名 | 佐渡金銀山 焼あご塩らーめん |
謳い文句 | 歴史遺構の数々が自然に溶け込み至るところに残される佐渡金銀山 四百年にわたる先人たちの営みや鉱山技術変遷などほぼ全てを見ることが・・・ |
調理方法 | 電子レンジ3.5分 |
質量 | 内容量160g/麺110g |
熱量 | 397kcal(1,662kJ) |
Na | ~g(食塩相当量6.2g) |
付属品 | 液体スープ、かやく1(乾のり)、かやく2(いりごま・長ねぎ) |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 2.5mmの角断面、乾燥状態を経ないリアルな舌触りと香り、打ち粉の雑味は感じない |
汁・ソース | 濁った淡い色でとても甘い、あごだしが軽快、変な演出がなく良、複雑で刺激はない |
具・その他 | ばら海苔は香りと歯応えで個性的、生麺の存在感に守られダシが自由に主張する印象 |
総合評価 | ★★★☆3.5 |
試食日 | 2024/06/08 |
賞味期限 | 2024/07/15 |
入手方法 | 2024/05/28 佐渡汽船 |
税込購入価格 | 650 JPY |