No.7451は台湾の統一企業、滿漢大餐Gold 金牛肉麵。台湾製の即席麺にはレトルトの肉塊付きという独自カテゴリーが存在し、統一の滿漢大餐や維力の一度贊、味丹の味味一品等がこれに相当する。一方で台湾はノンフライの即席麺が少なく、レトルト肉塊付き即席麺も古風な揚げ麺のものばかり。ジューシーな肉を口に含みながら「ここにもっとしっかりした麺があればなあ」と想うことしきりであった。
しかし!2022年11月にノンフライ麺を使う滿漢大餐Goldが登場!早く食べたい、ということで昨年末の訪台に於ける本製品の購入は最優先事項であった。なお価格は89TWDの約414円、日本でも滅多に無いような高額即席麺。
食べてみて、スープと具についてこれは「食品」を越えた、もう「料理」と呼んで良いレベルだと思った。従来の滿漢大餐以上に味空間が広くて深い。小手先で誤魔化す手練手管ではなく、正面から律儀に攻めている印象。とても臨場感が高く、高い価格も納得してしまう。
一方で肝心の麺に関して、従来の滿漢大餐に付きまとう安っぽい油臭さが消えて違う次元にあるものであることは確かだが、日本のラーメンや即席麺における「いい麺」とは違うように感じた。基本的に軽い麺質であり、コシとか重量感、粘りといった要素は強くない。中華麺らしい小麦粉の香りも然りである。
これらは台湾で夜市の屋台等を食べ歩いても感じることである。本品がターゲットとする台湾人の考える「いい麺」は、日本人のものとは結構違い、このギャップを埋めることは難しいだろう。
無いものねだりで理想を語ると、今回の品のスープと具を用い、ここにヤマダイの凄麺を精緻にチューニングしたものを合体させれば、私の考え得る世界一・宇宙一の即席麺になるはずだ。
麺は幅3mmで薄い扁平断面。エッジや角はやや曖昧で、表面はザラザラしており、ノンフライ麺なのに気泡感があるような舌触り。重量感はあまりなく、脆くはないもののやや締まりに欠ける歯応え。日本の高い即席麺の麺とは目指すものが違う印象で、これが台湾における良い麺なのだろう。もちろん揚げ物の油臭さは皆無で、スッキリしている印象。
スープは濁りのある茶色で、まろやかな口当たり。でも味や香りの情報量がとても多く、複雑で雄弁な味である。発酵系の柔らかな酸味があり、強めの辛さは遅れてやってくる。牛肉のうま味は自然で癖がない。野菜を細かく砕いたような、シャリシャリした歯応えがある。即席という感じがしない、とてもライブ感とリアリティがある味のスープである。
レトルトの牛肉はスジ肉だが、柔らかくて量も多く、とても有難味があるもの。キャベツや白菜も多い。日本円にして400円を超える製品だが、スープと具だけで、その価値はあると思う。
国名 | 台湾 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 710088 832160 |
会社名 | 統一企業 |
製品名 | 滿漢大餐Gold 金牛肉麵 |
謳い文句 | 非油炸麺 冲泡四分鐘半 |
調理方法 | 熱湯4.5分 |
質量 | 内容量220g |
熱量 | 603kcal (2525kJ) |
Na | 3.461g |
付属品 | 粉末スープ、レトルト具(牛肉)、調味油、かやく(白菜・唐辛子・ねぎ) |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 3mmの扁平、輪郭や角はやや曖昧、軽い食感で締まりが弱い、ノンフライらしくない |
汁・ソース | 濁った茶色、まろやかな口当り、味香りの情報量が多い、発酵系の酸味、強めの辛さ |
具・その他 | 柔らかい牛スネ肉は量も多く有難い、価格分の価値はあるが、麺は日本人に合わない |
総合評価 | ★★★★4 |
試食日 | 2024/02/09 |
賞味期限 | 2024/02/24 |
入手方法 | 2023/11/02 家楽福超市 (Taiwan) |
税込購入価格 | 89 TWD (≒414 JPY) |