No.7332はat LOCAL、しほろ牛出汁黒みそ拉麺。同社は北海道河東郡士幌町(帯広の北)にある「道の駅ピア21しほろ」を運営する企業。今回の品は道の駅で扱うご当地ラーメンという位置付けである。製造は旭川の北海製麺で、姉妹品として「しほろ牛出汁豆乳担々麺」もある(未購入)。
面白そうなラーメンがあると思って手に取ってみるとズシリと重い。一瞬生麺かと思ったが、麺の部分が硬い乾麺だった。裏面の記載を見ると液体スープの質量が75gもあるとのこと。経験上、粉末でも液体でもスープの袋が大きな即席麺には外れが少ない。無理な濃縮をせずに、自然な味や香りを維持しやすいのだろう。食べる前から期待が膨らむ。
食べてみて、作り手にドスの効いた低い声で「どうですか!?」と問いかけられるような、真剣勝負を挑まれている気分になる製品。一口食べて、これはテレビやスマホを観ながら・お喋りしながらの中途半端な気持ちで臨んではいけない品だと理解し、背筋をシャキッと伸ばした。
製品名は牛だしに重点が置かれているが、味は味噌のインパクトの方が強く、良質の牛のうまみがこれをしっかりと支える構図。その味噌はみんなに全方位的に好かれて決して嫌われないような味ではなく、最終目標をしっかり定め味を作った確信犯的な味。なので好みに合わない人も出るだろう。
正直言ってかなり陰気な味噌味である。うま味調味料をガバガバ入れて誰でもいらっしゃいという開放感は無い。だが大豆が発酵して出来た匂いがヒシヒシと伝わってくるし、強い塩味(食塩相当量10.0g)の奥底には輝くような香ばしさを発見できた。そう、この製品は神経を集中して謎解きや宝探しをするようなゲーム感覚がある。スマホやお喋りなどのナガラ食いでは見つからない。
一方、さすがに味噌を溶いただけではラーメンのスープにはならないので、一般的な豚ではなく地元牛の出汁を持ってきた。牛のうま味は食前の予想よりうんと控えめだが上品で、味噌の香りを壊さずに過不足なくサポートしている。これ見よがしな牛臭さをアピールしないのは良識がある。さらに麺もしっかりと力強い。私には、この製品は味噌の香りを楽しむことが一番の醍醐味なのだと感じられた。
麺は幅2.5mmで、エッジは丸められており、優しい舌触り。やや硬めで、どっしりとした重量感があり、力強い食感。歯応えは鈍く、じんわりと噛み切る感じ。とても自己主張の強いスープに対して負けずに踏ん張っている印象。
スープは味噌のザラっとした粉っぽさがある。大豆が発酵していることが感じ取れるような、リアルな味噌の味と香りがする。明るい味ではなく、深刻な印象の味噌味。牛のダシは意外に控えめで目立たず、味噌を下支えするようだ。ニンニクの匂いが強く、辛い刺激は控えめ。
どのような具を入れてもスープが負けることはないだろう。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 977078 307156 |
会社名 | at LOCAL |
製品名 | しほろ牛出汁黒みそ拉麺 (製造は北海製麺) |
謳い文句 | 十勝しほろ牛 しほろ牛の旨味凝縮!北海道産小麦使用 |
調理方法 | ゆで4分 |
質量 | Net165/麺90g |
熱量 | 505kcal (2114kJ) |
Na | ~g(食塩相当量10.0g) |
付属品 | 液体スープ |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 1.5mmの細い角断面、表面は荒く輪郭は明確、頼りなさはない、そうめんに似た食感 |
汁・ソース | ザラつく粉っぽさ、大豆の発酵臭、深刻な印象の味噌味、ニンニク臭、辛さは控えめ |
具・その他 | 牛出汁はサポート役で誇張がなく上品な旨味、本気で向き合うことを強要される製品 |
総合評価 | ★★★☆3.5 |
試食日 | 2023/08/09 |
賞味期限 | 2023/09/16 |
入手方法 | 2023/07/02 道の駅ピア21しほろ |
税込購入価格 | 432 JPY |