No.7223は静岡県西伊豆町の佐野製麺、海賊ラーメン。姉妹品に焼そば「海賊焼」もある。今回の品は昨年の10月に購入したものだが、丁度その頃に同社は経営不振のため破産した(購入時に私はそのような事情を何も知らなかった)。これを下田市のクックランド(ウチのブログでよく名前が登場する秋田県の製麺会社とは異なる)が買収し、翌11月に堂ヶ島製麺として再出発したのである。
円筒形のユニークな容器は最初ラーメンだとは思わなかった。直径5cm長さ20cmの中に二食分の棒状麺と液体スープがギッシリと詰まっており、なかなか取り出せない。さらにイカスミ練り込み麺は黒く、人の関心を引く要素をたくさん持っている。
食べてみて、円筒形のパッケージや麺の色に負けないぐらい味も個性的で良く出来ている。値段は高い(二食入税込648円)が、それだけの価値を有すると納得した。総合評価は★3.5としたが、これは同社の破産→再出発の事情を知る前に付けたものであり、決してお情けや同情で加点した訳ではない。
最大の特徴は麺であり、他のどんな製品とも似ておらず、独自性を発揮している。縮れの無い棒状麺だが、マルタイなど九州系のものよりも遥かに骨太で重量感がある。また麺を噛み切る際に「コクン!」という感じの、ストロークの大きなメカスイッチを操作するような、あるいは出来の良いマニュアルミッションの車やバイクで変速操作を行うような、心地良いショックが伝わる。
黒さの源のイカスミはほのかに生臭いコクがある。これは人によって好みが分れるかもしれないが、スープとの相性も含めた上で私はとても好ましいと思った。そのスープは鯛と鶏ガラのうま味がブレンドされており、麺の湯切りをすることもあり雑味が少なくとてもクリア。ちなみにスープの製造は茨城県の三栄フーズ。
このように個性的で良く出来ている製品であるが、会社の破産→消滅の危機を乗り越え堂ヶ島製麺として再出発したところであり伊豆へ行く機会があれば買って応援したいと思う。
麺は幅3mmの長方形断面で色は黒く、表面は軽くぬめるような滑らかさがある。箸を持つ手がズッシリ重たく感じる程の重量感。歯応えはスコン!と音がしそうなぐらいの明確なクリック感がある。ほのかにイカスミの生臭い香ばしさが漂ってくる。
スープは透明感がある茶色。豚の背脂が浮いており、これが力強さを確保している。お澄ましのような上品な鯛のダシと、鶏ガラのうま味がうまくブレンドされているが、下手な小細工はしておらず、雑味の少ない上質な醤油味である。シンプルだがバランスが良く、芯の強さも十分に感じられ、不足感は全くない。塩分は結構出ており、辛い刺激はない。
具を入れる際は残り物を適当にを突っ込むのではなく、きちんとした良質な素材のものを入れたいところだ。
国名 | 日本 |
ジャンル | 箱ラーメン |
EANコード | 4 976274 030547 |
会社名 | 佐野製麺 (現:堂ヶ島製麺) |
製品名 | 海賊ラーメン |
謳い文句 | 堂ヶ島ご当地グルメ まっ黒なイカスミ麺と、相性抜群な鯛、アサリ、ホタテのだしがきいた海鮮スープで召し上がれ。 (二食入り) |
調理方法 | ゆで4分分離調理 |
質量 | Net134/麺80g |
熱量 | 315kcal (1319kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量5.5g) |
付属品 | 液体スープ |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 要 |
麺 | 幅3mmの扁平、ぬめるような滑らかさ、重量感特大、歯応え明確、イカスミの生臭さ |
汁・ソース | 透明感がある茶色に豚の背脂が浮く、上品な鯛ダシと鶏ガラのブレンド、雑味が弱い |
具・その他 | 個性的な円筒形パッケージに負けないぐらい中身も個性的、高価格を納得させる出来 |
総合評価 | ★★★☆3.5 |
試食日 | 2023/02/04 |
賞味期限 | 2023/03/31 |
入手方法 | 2022/10/25 いずもん伊豆げゲートウェイ函南 |
税込購入価格 | 648 JPY / 2p |