No.7133 大黒食品工業 大黒 冷し中華 醤油だれ

No.7133は大黒食品工業、大黒 冷し中華 醤油だれ。姉妹品として冷したぬきそば・同うどんがあり近日試食予定。また冷やし中華にはごまだれも存在する(した/過去形かも?)らしいが、これはまだ遭遇しておらず未試食。

▲カップ冷し中華の先駆け、大黒冷し中華(製造年不詳。
JANコードや警告表示が無いので1980年近辺か?)

カップ冷し中華は大黒食品工業が古くから製品を出し続けている先駆者だが、後に追従するものがおらず、またあったとしても短期間で撤退してしまい、事実上孤立無援と言える状態であった。しかし昨年ニュータッチ凄麺の冷し中華が登場し、やっと仲間が出来たところ。

最初に食べた時は悪い意味でビックリしたものだが、長年の改良によって飛躍的に質感が向上している。諦めずにしつこく続ける姿勢は素晴らしい。

食べてみて、適度な爽やかさと緊張感があり退屈さを感じない。

製作に当たっては湯切りを行った後に水を入れて麺を冷やすのだが、説明書きによると氷水を使った水切りを二回行うことを推奨しており、今回はこの通りに行なった。水切り工程が有効に機能したためか揚げ麺の油っぽさが全く感じられず、低温でキュッと引き締められた麺は歯応えが小気味良い。ここに合わさるスープも甘酸っぱさとからしの刺激が相まって爽快さを演出する。

四十年程前、初めて大黒のカップ冷し中華を食べた時の記憶が蘇ってきた。夏の暑いさなかの四畳半の下宿。カップのフタは今とは違いシート成型で、中央から少しオフセットされた直径四センチぐらいの丸穴がポカンと空いている。ここから水道水を注入しろということだな。湯切りをして水切りを行ってスープを絡め、その後に入れるふりかけやかやくの小袋がたくさんあった。

食べてみると気泡感が盛大にあるスポンジみたいなフカフカした麺で妙に油臭い。麺を冷やすのも水道水で一回流しただけなので冷え切っておらずスープも中途半端にぬるいため、酸っぱさと甘さがえらく気持ち悪く感じた。全然さわやかさが感じられない。これは世界三大珍カップ麺として認定しよう。でももう食べたくないなあ、心に爪痕を残す食べ物だよ・・・

第一印象は非常に悪かった。まあこの頃は他にも今では考えられない実験的で変な製品があり、これもすぐ終売となり即席麺史上の塵と化して忘れられてしまうのだろうと信じて疑わなかった。

▲2001年版冷し中華。この時の評価点は★1.5

しかし大黒はカップ冷し中華を諦めなかった。途中マイフレンドブランドを纏った時期もあるが、それでもず~っと続けてきた。もうこれは意地とかプライドのさせる業ではないかと思われた。

▲2006年版冷し中華。この時の評価点は★2.5にアップ!
シュリンク包装印刷の採用で外観も近代的になる

そうこうしているうちに、当初感じていた嫌味が薄れてきたことに気が付いた。麺の油臭さやスポンジーさがいつの間にか消えて食べやすくなっている。これなら普通に選択肢の一つになるぞ!

かくして大黒のカップ冷し中華は普遍的な美味しさを獲得したのであった。まあ普段は税込100~150円程度で売られる品なので、あくまでその範囲内での高評価でありそれ以上では決してない。

それでも継続は力なり、このジャンルを絶やさずにきた功績は大きいと思う。昨年からヤマダイもカップ冷し中華に参入したが、異なる価格帯に設定して直接競合しないようにしたのは大黒への敬意と配慮によるものだと勝手に思っている。(どちらも北関東の会社だしね)

麺は細めの扁平角断面で、輪郭は明確。気泡感は無く滑らか。しぶとく粘るような食感で量は結構多い。四十年近く前に初めて大黒のカップ冷し中華を食べた時の麺は、気泡感が盛大にあり頼りなく、強烈な油臭さが匂うものだった。それと比べて遥かに近代的で、洗練された麺になっている。

スープは透明感がある茶色で、マイルドな酸味と甘さがある。醤油の香りは弱く、うま味は十分に出ている。鋭い刺激はなく、暑さを吹き飛ばすものではないが、適度な爽やかを感じる。ごま油の香りが重厚感を出している。

ふりかけは乾燥卵と海苔で、量や香りで少々物足りなさを感じる。一方でからしは良いアクセントになっている。

国名 日本
ジャンル カップ冷し中華
EANコード 4 904511 003603
会社名 大黒食品工業
製品名 大黒 冷し中華 醤油だれ
謳い文句 からし付 りんご酢の効いたはちみつ入りのたれ さわやかな美味しさ
調理方法 熱湯3分水さらし
質量 Net126/麺85g
熱量 467kcal (1955kJ)
Na ~g(食塩相当量1.9g)
付属品 液体スープ、かやく(たまご・ごま・のり)、からし
ノンフライ麺 ×
湯切り 要(水切り)
細めの扁平角断面、輪郭は明確で気泡感は無く滑らか、粘る食感、昔より洗練された
汁・ソース 透明感がある茶色、マイルドな酸味と甘さ、醤油は薄く旨味は十分、鋭い刺激はない
具・その他 ふりかけは物足りない、からしはアクセント、大黒は古くから継続してよく熟成した
総合評価 ★★☆2.5
試食日 2022/08/15
賞味期限 2022/10/17
入手方法 2022/07/08 ヒーロー
税込購入価格 95 JPY