No.7111は岐阜県の桜井食品、有機らーめん味噌味。製品名通り国内産有機栽培小麦を使用した麺と、有機原材料を使った味噌で作られたスープによる、健康配慮型の即席麺である。原料には畜肉や魚介類、化学調味料を使わず麺も無かん水。ヴィーガン対応製品。税込購入価格は270円でちょっと高め。
大手メーカによる安価な大量生産品とは全然異なるカテゴリーに属する製品であり、比較してコスパを云々するのは野暮なこと。だが大量生産品が「効率化」の下に切り捨ててしまった何かが、ここには在るかもしれない。またこの製品が採った素材への拘りは、価値観の合う人にとってはとても貴重なことだろう。
食べてみて、安価な大量生産即席麺でありがちな、押しつけがましく「どうだ、旨いだろう!美味しいって言え!」というような派手なハッタリがここには無い。素っ気なく「勝手に感じてね」と放置されたような気分になる、まったく面倒見の悪い製品だ。
仕方なく食べ進めると、まず迎えるのは麦と大豆の香り。広大で乾いた畑が瞼に浮かぶ。そう、味噌をお湯で溶くってのはこんな感じなんだよなあ。背後に控える醤油の匂いもハッキリと判る。僅かにごま油の香りもするなあ・・・
都会の喧騒を離れ、山奥で夜空を見上げる。幸い雲は無く、街の灯も届いて来ない。暗闇に眼が慣れたら、おお、なんてことだ!微かな光が埃のように浮かび上がってきた。夜空ってこんなにも賑やかなものなのか!?それでいて、何がどこにあるのかが手に取るように解るじゃないか!
・・・舌先の感度を上げて、繰返しスキャンする。ほー、バックグラウンドに僅かなニンニクの臭みがあるなあ。何だか判らないけどそれなりの刺激成分があるから退屈な味にはなっていない。下手にコンプ※を掛けてない、ダイナミックレンジの広い味だ。
残念ながら、大勢の人が手放しで「おいしい!」と太鼓判を押すような製品ではない。しかし懐が深いので、真剣に追い込み解いてみようという人にはそれなりに応えてくれる、かもしれない。
原色のペンキを塗ったくったような大量生産即席麺とは全く違う山奥の夜空のような世界がここには在る。一方で足りない箇所が多々あるのも事実で、善と悪、好き嫌いは食べる人の心に依る。当たり前だけど。
※コンプ(レッサー):小さな信号を持ち上げ、大きな信号は抑制する処理。明瞭度確保や歪み防止などの為。脆弱な系における姑息な手段、必要悪?
麺は幅2.5mmの薄い扁平断面で、厚さにばらつきがある。ノンフライなので密度は高いが、重量感はあまりない。輪郭は曖昧で、ねちゃっとした歯応えがあり、やや不愛想な食感である。
スープは麦と大豆の香ばしさが出ており、醤油の匂いも混ざっている。魚介と畜肉系のダシを使っていないので、うま味はかなり弱い。塩分は強く、僅かに酸味と辛さがある。単調なようでいて、実はかなりの奥の深さを感じる味である。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 960813 210415 |
会社名 | 桜井食品 |
製品名 | 有機らーめん味噌味 |
謳い文句 | ノンフライ&ベジ 国内産有機小麦使用 さくらいの有機育ち |
調理方法 | ゆで4分 |
質量 | Net118/麺80g |
熱量 | 349kcal (1461kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量0.4+5.0g) |
付属品 | 液体スープ |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 幅2.5mmの扁平断面、厚みにばらつき、密度は高いが重量感小、輪郭と歯応えは曖昧 |
汁・ソース | 麦と大豆の香ばしさ、醤油の匂い、旨味は弱いが繊細で深い、塩分強く酸味と辛さ有 |
具・その他 | 大企業の製品とは別次元、物足りなさ感じる人が多いだろうが、素材の良さを感じる |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2022/06/30 |
賞味期限 | 2022/09/03 |
入手方法 | 2022/05/11 Food & Company |
税込購入価格 | 270 JPY |