No.6971は徳島製粉、金ちゃんきつねうどん。1975年11月に縦型カップで登場、78年7月には丼型タイプに変更される。発売以来30年を軽く超えるご長寿製品である。
▲たぶん1980年中旬~終盤頃の同製品。
樹脂シート成型フタ
この製品を私が初めて食べたのはNo.918として記録が残っているが製造時期は不詳。表示内容から見て昭和の終盤頃と推測する。フタは樹脂シートを立体成型したもので、当時としては珍しいものではない。しかし他社が丼型の製品を軒並み紙のフタに切替える中、金ちゃんだけはこの樹脂製立体フタを堅持。信念を通しているのか不器用なのかは判らないが一目置いていた。だが時代の流れに抗えず遂に2017年に紙のフタに転換。一つの時代の終焉だなあと感じたよ。
食べてみて、古めかしいパッケージデザインと食べた印象が一致する。でもこれは決して悪い意味ではない。華は無いけど流行に惑わされず虚飾を排し、質実剛健ともいえる地に足の着いた内容である・・・というとちょっと誉めすぎかな。少なくとも食べていてあまりネガティブな感情は湧いてこなかった。
正直言って今の時代の基準で見ると洗練に欠けて武骨な箇所も多いのだが、これがカップうどんの原点だというか、カップうどんなんてこれでいいんじゃないか?という気にさせてくれる製品である。
麺は幅広の扁平断面で、やや気泡感があるが、輪郭はハッキリしている。はじめは粘りに欠けるゴワゴワした武骨な舌触りと食感で、いかにも昭和のカップうどんという風情。でも時間が経つにつれて緊張が解けてくる感じで、変化を楽しめる。(モノは言いよう、かな?)
スープは透明感が残る薄めの茶色。甘めで昆布のダシが前面に出ており、醤油の香りは弱い。刺激は控えめで穏やかな味。若干の粉末スープっぽさはあり平板な味だが、かえってこれが古風な麺とよく合っている。
油揚げは7cm角で、大きさやジューシーさで大手会社の定番製品のようなハッタリ感はないものの、十分な存在感があり効果的。どうやら当たりを引いたらしく蒲鉾が妙にたくさん入っており、画像で確認したところ12枚(以上)入っていた。但しそれが有難味があるとは全然感じなかった。
レトロなデザインと食べた印象が一致する。でもこれはこれで結構いいなあと感じたな。願わくば今後も「大手有名ブランドのきつねうどんに近付けちゃえ!」なとどは一切考えないでほしい。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップうどん |
EANコード | 4 904760 010049 |
会社名 | 徳島製粉 |
製品名 | 金ちゃんきつねうどん |
謳い文句 | |
調理方法 | 熱湯5分 |
質量 | Net92/麺72g |
熱量 | 420kcal (1758kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量1.3+4.0g) |
付属品 | 粉末スープ、かやく(かまぼこ・ねぎ)、味付油揚げ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 幅広の扁平断面、やや気泡感があり輪郭は明確、粘りに欠け無骨な食感、経時変化大 |
汁・ソース | 透明感が残る薄い色、甘めで昆布ダシが強く醤油の香りは控えめ、刺激は弱く穏やか |
具・その他 | 7cm角の油揚げは質素だが必要十分、蒲鉾が妙に沢山、外観同様古風だがこれでいい |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/10/01 |
賞味期限 | 2021/08/26 |
入手方法 | 2021/04/16 Kazue特派員様よりいただく |
税込購入価格 |