No.6875は長野の信陽食品、ポンちゃんラーメン。東洋水産の北海道工場による委託製造で、遠方から運んでいるんだなあ。最近カップ版のポンちゃんラーメンは東洋水産系のユタカフーズによる製造であることを報告したが、袋版はズバリの東洋水産である。いつからこうなのかは知らないが、最近製造者を表示する義務が生じたため、従来隠れていた提携も露わになってきた。
私が袋のポンちゃんラーメンを初めて食べたのは平成になって間もない頃で、パッケージは古臭いが味はクリアだなあという印象を持った。まるでアルプスの雪解け水で即席麺を作ったみたいな澄んだ味だと思ったよ。その後の試食でもその印象は変わらなかった。
ちなみに、ローカル即席麺としては珍しくJASマーク付きであることもポンちゃんの伝統である。長野県民は真面目で頑固!?
食べてみて、製造はマルちゃんになったけど、ポンちゃんらしさは健在だった。麺とスープの分離が良く、音響に例えるならばS/N比が高い感じ。麺をゆでる際の澱粉溶出が少ないのか、雑味をあまり感じない。もちろん高級感とか味や香りに奥行きがある訳ではないが、数ある即席袋麺の中から敢えてポンちゃんを選ぶ理由は十分にあると思う。
麺は中太の角断面で、輪郭はハッキリしていて曖昧さが無い。昭和の雰囲気を残す即席麺だと思って食べると意外に重量感がありビックリする。歯応えもだらしない頼りなさが無くしっかりしている。
スープは透明感が残り、雑味の少ない印象の醤油味。軽い白胡椒の刺激がある。うま味はあまりしつこくない。下手な小細工をせず、素材の味や香りが出ている感じ。
麺とスープがきちんと分離しておりスッキリした印象。それでいて双方が反発しているような居心地の悪さは無い。
信陽食品は即席麺に関して欲が無いというか、あまりガンガン拡販をしようとする野心が無いように見える。なので製造を東洋水産へ委託することによって大企業の論理に飲み込まれ、材料や工程でマルちゃん製品との行き過ぎた共通化を強いられてしまい個性を失ってしまうのではないか?と密かに危惧をしていた。でもクリアな味は維持されており十分に納得できる出来栄えで、心配は杞憂に終わった。
ポンちゃんラーメンは長野県外では買い難い希少性があり、またパッケージのレトロさや可愛さにも特徴があるが、「そんなことだけ」で注目されるのは、ポンちゃんが可哀想。末永く生き続けられるよう大切に育てよう。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 973644 000018 (5p:000049) |
会社名 | 信陽食品 |
製品名 | ポンちゃんラーメン (製造は東洋水産) |
謳い文句 | 特製スープ付 カルシウム添加 |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net86/麺80g |
熱量 | 370kcal (1549kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量1.6+3.7g) |
付属品 | 粉末スープ(ねぎ入り) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 中太の角断面、輪郭がハッキリして曖昧さがない、重量感があり頼りなさは感じない |
汁・ソース | 雑味が少ない醤油味、白胡椒の刺激、高級感は無いが素朴な素材の味香りが出ている |
具・その他 | 麺とスープの分離が良いが、反発することもない、レトロな袋だが古めかしさは無い |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/03/21 |
賞味期限 | 2021/05/18 |
入手方法 | 2020/10/24 Kazue特派員様よりいただく |
税込購入価格 |