No.6512は韓国のDaesang、Jongga Real Kimchi Ramen。漢字で書くと大象(デサン)、宗家(ジョンガ)キムチラーメン、ハングルで書くと대상、종가집 김치라면となる。Daesangは韓国の総合食品メーカであり、特に韓国におけるキムチの販売シェアは21年連続No.1だそうだ(同社日本語版Webサイトより)。最近レトルトキムチを武器として即席麺市場に参入し、今回紹介する袋麺とカップ麺を揃えている。
ところで日韓関係が冷え込んだ昨今、ウチの試食記は国籍(やメーカ)によって色眼鏡をかけないことを宣言しておく。自らで目を覆って大切なことを見逃したら勿体ないからね。
さて、キムチやスープの会社がいきなり即席麺の製造に手を出すとは考えにくいので他所へ生産委託したものだろうと考えていたが、パッケージの裏面隅に「Product of Thailand」の文字を発見。ほ~っ、自国内ではなくタイで作ったのか。このパターンの業務提携は初めて見るなあ。
日本の即席麺市場は需要と供給がほぼ国内のみで完結しており、外国の旋風は全然入ってこないし、発祥の地である誇りや企画力と技術力が高いこともあり、世界的に見ると特殊な市場:ガラパゴス化しつつあるように感じている。そして実は韓国の即席麺も日本にちょっと似た性格を持っていると思っていた。
一方当ブログが連日お伝えしているように、海外の即席麺市場は国境を越えた提携・協業が常態化しており、遠く離れた国の企業が手を取り合う例は珍しくない。なので今回の韓国製品が実はタイ製だったという事実は韓国即席麺の変化の兆しかもしれないと思われ、かなり興味深いことであった。
即席麺は主に販売する会社がある国や地域だけで消費されるので、かつてのケータイのように日本が独自の進化を遂げた挙句世界の標準から外れて滅びるなんてことはないだろうが、それでも日本の即席麺が世界の潮流からはだいぶ外れたガラパゴスのような状況にあるという指摘をささやかながらしておこう。(だからどうだというわけではないが)
食べてみて、レトルトのキムチは十分な量があり、ジューシーで存在感大。肉厚でシャキッとした歯応えは熱風乾燥ではとうてい実現不能と思われるもので、リアルなキムチを目当てにこの製品を買うのは大いにアリだろう。一方、麺やスープはややこなれていない印象もあった。
作り方の説明では麺と一緒にキムチを煮込むよう指示があったのだが、このやり方だと茹でている間に香りが飛んでしまって折角のリアルなキムチを損ってしまうように思えた。実は今回の品は二個買ってあったので(実際は一個買うともう一個がタダで貰えるキャンペーンにたまたま遭遇した)二個目は食べる直前にキムチを入れたのだが、こちらの方が白菜のみずみずしさや発酵臭が強く感じられて断然好ましく感じられた。
麺は太めでふっくらした舌触り。粘りもあってタイ製ながらも韓国製即席麺の文法をよく倣っているが、やや鈍重な食感で小麦粉の香りにちょっと違和感を感じた。スープは心地良い辛さ(激辛ではない)と牛肉のダシが出ている。脂っ気が少なくアッサリしているが、下手にコッテリしているとキムチの香りを覆ってしまいそうだからこの程度でいいか。
食べていて、これがタイ製であることなんてすっかり忘れてしまったな。
国名 | 韓国 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 8 801052 053233 |
会社名 | Daesang 대상 |
製品名 | Jongga Real Kimchi Ramen 종가집 김치라면(製造はタイ) |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net122g |
熱量 | 400kcal (1674kJ) |
Na | 1.87g |
付属品 | 粉末スープ、レトルトキムチ |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 太めでふっくらした舌触り、粘りもあり韓国袋麺っぽさが出ている、香りは今ひとつ |
汁・ソース | 心地よい辛さ、醤油ベースの牛ダシで、脂っぽさはなくスッキリ、あまり深みはない |
具・その他 | キムチは肉厚で存在感大、麺と煮込むよう指示があるが食べる直前に入れる方が良い |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2019/09/23 |
賞味期限 | 2019/10/03 |
入手方法 | 2019/07/18 Brisbane(Australia) |
税込購入価格 | 0.99 AUD (≒75 JPY) |