No.6373はエースコック、復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て。それまではどんぶり型のカップといえば麺の質量が60gというのが他社も含めておおよその相場であったのだが、1.5倍の90gに増量した製品群を1988年7月にエースコックがスーパーシリーズとして上市し、食欲旺盛な若者を中心に強い支持を得るようになる。他社も速攻でこの大盛りカップに追従するようになり、一つのジャンルを形成して現在に至る。
▲発売当初のフタ
最近ウチは在庫過多が続いて日本のカップ麺の入手は控えているのだが、スーパーカップの復刻版が出ると聞き例外扱いとして購入。私は1988年の発売時に食べており、当時のことを知る者として比較報告する責務があると感じたからだ。
私の記憶ではスーパーカップが発売されるやいなや急速に市場へ浸透していったように思えた。TVCFも積極的だったし、従来の製品における量的な物足りなさを解決する決定打のように感じられた。加えて希望小売価格は160円、当時の相場である140円よりちょっと高いだけでありお買い得感もあった。
とはいえ。私はこのスーパーシリーズに関しては長い間強い苦手意識を持っており、20年ぐらいこれをず~っと引きずっていた。それは特に麺の安っぽさであり、これを大盛り90gも食べるのはちょっと勘弁したいよなあ、と積極的に購入する気にはなれなかったのだ。
i-ramen.netの試食コメントで私はよく「気泡感」という言葉を使うが、これは麺を油で揚げた際に出来る細かな空洞が顕著でスポンジのようなフカフカした軽い歯応え・舌触りになってしまうことを半分揶揄するものである。で、そもそもこの気泡感という言葉はスーパーカップの麺をイメージして創作したものである。
この苦手意識が解けたのは2009年のガッシリ3Dめんの登場であり、現在に至るカドメンになって抵抗感はほぼ払拭された。
食べてみて、麺は結構まともな出来。黒子的な存在ではあるものの現代的なキメが細かなしっとりした食感である。カドメンではないが、少なくとも発売当初のフカフカなスポンジー麺とはだいぶ違う。エースコックのプレスリリースを見ると「発売当時の味わいをイメージしたおいしさ」とあるので、当時のレシピを忠実に再現したものではないようだ。
対してスープは発売当初のイメージをよく残していると感じた。粉末臭いちょっと尖った味わいの醤油味と液体の脂っぽさがミックスされたもの。具もこんな感じだったな。
復刻版の即席麺は殆どの場合食べてガッカリすることが多いのだが、今回の場合は当時の欠点がうまく修復されていて、綺麗な?思い出だけが抽出されたようでもあり、30周年記念製品としてはうまく成功したと思う。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 901071 231606 |
会社名 | エースコック |
製品名 | 復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て |
謳い文句 | スーパーカップ1.5倍(当社比)発売30周年記念 デビュー当時をイメージした味わい! |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net108/麺90g |
熱量 | 447kcal (1871kJ) |
Na(麺具+汁) | 〜g(食塩相当量2.4+4.9g) |
付属品 | 液体スープ、粉末スープ、かやく(焼豚・ナルト・ねぎ・メンマ) |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 角が立っておらず優しい口当たり、キメの細かな気泡感、発売当初よりだいぶ高品質 |
汁・ソース | 粉末臭い醤油の香りが直接的、生姜と胡椒の刺激、発売時のイメージに近い昭和の味 |
具・その他 | 発売当初は麺が貧弱だったが、この復刻版は現代化されて、昔のイメージを楽しめる |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2018/12/19 |
賞味期限 | 2018/12/28 |
入手方法 | 2018/07/24 三和 |
税込購入価格 | 138 JPY |