No.5969は麺のスナオシ、サッポロタンメン塩味。私は前々からi-ramen.netの記事や著書の文中で、かつてサンヨー食品から発売されていた「長崎タンメン」の味に近い製品がこのスナオシのサッポロタンメンであると書いてきた。
一方で、この製品は当初「うす塩」を標榜してきたのがある時期から「塩味」に変更する。栄養成分表を見ても、食塩相当量またはナトリウム量が徐々に増加する変遷が見られ、食べた印象も少し変化している。サンヨー食品の長崎タンメンは、1964年8月に発売され大ヒット。それまでの即席麺といえば醤油味しか無い中、すっきりした味の白いスープは斬新で、私も子供心に特別なおいしい製品だという認識を持っていた。パッケージ写真の筍が美味そうでね(ちなみに長崎タンメンは初めてパッケージにカラー写真を使った即席麺である)。しかし1971年9月にサッポロ一番塩らーめんが発売されるとそちらへ塩味需要の主導権が移り、1975年2月にひっそりと生産が中止される。
その後サンヨー食品はこの長崎タンメンの復刻版(上の写真)を何度か発売したのだが、私が思うに全然復刻になってなかった。しょっぱい!味が全く根本的にからっきし違う!レシピが残っていないのか、当時使用できた材料が規制やコスト等の制約で使えないのか、今の若い人の嗜好に合わせて勝手に味をアレンジしちゃったのか知らんけど、結局深~い悲しみと落胆だけが残ってしまったよ。一方でスナオシのサッポロタンメン!1990年台中盤にこの製品を初めて食べた時、20年以上前の長崎タンメンの味の記憶と照合して強い相関アリと僅か9.8msec.の電光石火で判断。あの長崎タンメンがフェニックスの如く蘇り、今まさにこの手中にある!優しくて穏やかな味のスープ、緊張感から解放された麺、これよこれ、This is this、これなんだよ!
しかしスナオシも私の懐古趣味のために商売をしている訳じゃない。時代に即して中味をアップデートしてゆき、塩分量は徐々に増えて「うす塩」が「塩味」になり、麺も昭和風から平成時代に相応しいプリプリした食感のものへ変わっていった。まあこれも時の流れだしょうがない。
とはいえ、現在のサッポロタンメンにまだ若干の長崎タンメンっぽさが残っているのも事実。サッポロ一番塩らーめんよりは遥かに長崎タンメンに近い。私と同世代で長崎タンメンに何らかの思い入れがある人は一度食べてみるといいだろう、安いし。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 973288 423235 |
会社名 | 麺のスナオシ |
製品名 | サッポロタンメン塩味 |
謳い文句 | スパイスの香り豊かなさっぱりとした味わいのしおラーメンです。 |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net83/麺75g |
熱量 | 368kcal (1541kJ) |
Na(麺具+汁) | 0.6+1.4g(食塩相当量1.5+3.6g) |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 適度なふくよかさとプリプリ感がある、昔より自己主張が増しレトロな食感ではない |
汁・ソース | 淡い色でアッサリした薄い味、うま味は人工的だが嫌味ではない、刺激も無く穏やか |
具・その他 | 郷愁を誘う味、サンヨー食品の長崎タンメンに近い味なので代用品としての価値有り |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2017/02/26 |
賞味期限 | 2017/08/12 |
入手方法 | 2017/02/03 Can-Do |
税込購入価格 | 36 JPY |