No.6891は桜井食品、ベジタリアンの豆乳ピリ辛めん。岐阜県の会社で、有機素材などを使い健康に配慮した製品を製造・販売する。1972年に無添加ラーメン「純正らーめん」(現在も販売中)を発売して即席ラーメン市場に参入。製品の性質上、生産規模が大きいとは思えないものの、自前の製造設備を有している。
ヴィーガン対応製品なので動物・魚介由来成分、アルコール、化学調味料、着色料、香料、保存料みんな不使用。パッケージの下部にはRSPO、全素不含五葷※、緑の日の丸などいろんな組織・国・地域におけるマークが並んでいる(興味があれば調べてね)。ということは、輸出を考慮している製品なのだろう。
※五葷(ごくん):ネギ・人参・韮・らっきょう・あさつき
食べてみて、体への攻撃性がとても少ない印象。青空とそよ風の下、フカフカの草原に寝っ転がっているような心地良さ。尖った部分が全然無い。生き物のダシや化学調味料を使わないためだと思われるが、それでいてうま味に物足りなさは感じない。勿論力やヤル気がモリモリと湧き出てくる感覚は皆無なれど、それでも構わない場合には選択肢の一つとしてアリだと思う。
但し価格は税込約300円と高価。まあ決して日清やマルちゃんの量産品と同じ土俵で比較されるものではないと思うが、体が安らかでいられるというやや漠然とした機能にいくらまで出せるか、人の価値観が問われる製品でもある。具を含めて400円程度ともなれば、店舗での食事や弁当・お総菜等、即席麺以外の選択肢も出てくるしね。
麺は細めの角断面。表面はややざらついた感覚で、無かん水の麺らしく粘りやしなやかさに少々欠ける。また重量感にも乏しく若干の頼りなさも感じる。揚げ麺の脂臭さは弱く、麺の量は多い。
と、ここまで普通の即席麺の評価指標を当てはめるとあまり芳しくはない。だが当たりの柔らかさとでもいうか、刺々しさが無くふわっとした(物理的ではなく感覚的なもの)印象は悪くない。
スープは白く、橙色のラー油が浮いている。でも大して辛くなく子供でも大丈夫な程度。それでも退屈さからは救ってくれる。大容量の液体スープらしくしっとりと滑らかだが、豆乳と練り胡麻のせいか少しざらついた舌触り。適度な充足感と厚みがあり、隙間風が吹くようなスカスカな味ではない。
力感は無いものの、体への攻撃性が弱く、麺もスープも自然に血管に染み込んでいくような感覚がある。ヴィーガン向けの製品でもあるのに、肉好きの私でもうまみに不足感は無かった。
ただ誤解の無いように書いておくと、少量生産の健康食品ゆえに割高であり、ラ王や正麺など一般的な袋麺の延長で300円の質感と満足感を期待すると落胆する。あと化学調味料や食塩・油・刺激を大量に含む食事が常態化している人は不満を持つかもしれない。食べる人の経験や価値観で評価が大きく左右される製品だと思う。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 960813 312973 |
会社名 | 桜井食品 |
製品名 | ベジタリアンの豆乳ピリ辛めん |
謳い文句 | 国内産小麦使用 動物・魚介由来成分・アルコール・化学調味料・着色料・香料・保存料不使用 |
調理方法 | ゆで2〜3分 |
質量 | Net138/麺92g |
熱量 | 590kcal (2470kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量0.4+2.9g) |
付属品 | 液体スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの角断面、粘りや重量感に乏しく少々頼りない、だが佇まいに圧迫感が無く軽快 |
汁・ソース | 豆乳と胡麻のザラつき感、ラー油の刺激は控えめ、刺々しさが無く体に溶け込む感じ |
具・その他 | ヴィーガン向け製品だが旨みに不足感は感じない、攻撃性が弱く体を労りたい時に良 |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/04/22 |
賞味期限 | 2021/04/13 |
入手方法 | 2021/04/16 Kazue特派員様よりいただく |
税込購入価格 | (希望小売価格 302 JPY) |