No.6557はエジプトのSalim Wazaran Abu Alata、Indomie Beef Flavour (Cup)。えっ?Indomieってインドネシア産じゃあないの?と思われた方も多いだろうが、Indomieは主にイスラム圏のあちこちでライセンス生産されるWorld Wideの即席麺ブランドなのだ。そしてこの品が私にとって初のアフリカ製即席麺の試食となる。嬉しい!
▲エジプトのスーパーにて
アラビア文字は右から左に記述するので、使用するソフトウエアが対応していないとうまく表示できない。動画編集で使っているAdobe Premire Elementsも非対応なのでタイトル文字を一文字毎にコピペして逆方向に並び替える作業を強いられてしまったよ。
Indomieをアラビア語で書くと「اندومي」(右から左に読む)。上の写真で赤い字の右側「طعم」は味のこと、この後ろ(左)に「اللحمه」が付くと肉味、今回の品の場合は牛肉のことを指すようだ・・・(間違っていたらゴメン)
たったこれだけのことを解読するのにいったい何時間掛かっただろうか。英文が併記されているのでおおよその意味は掴めるのだが、一応原語での確認もしておきたいと調べたら泥沼にはまってしまったよ。今までもタイや韓国の即席麺でパッケージに書かれている文字の翻訳には悩まされてきたが、アラビア語の困難さはさらに別次元のようだと思えてしまう。
食べてみて、日本における即席麺の価値観をそのまま当てはめてしまうと正直なところ美味しい等の好意的評価はつけ難い。文化や嗜好、生活水準が違う国に最適化された製品を他国の人があれこれ言うのは失礼な話だと思うので否定的なことは言わないが、外観が小綺麗にまとまっていることから、日本の即席麺のつもりで食べた人がかなりビックリ・ガッカリする感情を持つ製品であろうことは否めない。
麺は細い角断面。柔らかめで、水分をたっぷり吸い込んだような、水膨れともいえる食感に驚いた。あんまし日本人の感覚に合うとは思えないけれど、こんなのは初めての経験だよ。小麦粉の結合力が弱い感じで歯応えも希薄、香りもあまりしない。揚げ油の温度が低い感じで揚げ物の香ばしさは弱く、パーム油の匂いがやや目立つ。
スープは透明感が残る淡い色で、とても薄味。塩分も化学調味料も牛肉の香料もみんな控えめだし、味や香りの手数が少ない。脂っ気も無く力感に欠ける。添付のチリパウダーは全部入れてもあまり辛くない。間違えてお湯をたくさん注ぎすぎてしまったカップ麺、という感じだろうか。まあこのへんは私が日本の即席麺の強い味に慣れてしまっていることの裏返しかもしれないが。一方、僅かな酸味があるのはちょっと面白い。
具はなにも無し。寂しいと思う反面、この製品は購入時の日本円換算で45円相当なので、豪華な具を期待する方が間違いだ。具を入れることで価格が上がったら、エジプト市場では売れなくなってしまうであろう。
ちなみに本家インドネシアのIndomieとも結構違う。この辺は後日違う製品の試食記の中で語ってゆきたい。
この製品の楽しみ方は、即席麺を通じてエジプトの人達の(観光客向けではない)日常生活や嗜好に思いを馳せてみることに尽きると思う。私が強い違和感を持った麺でさえも、生まれた時からこれを食べ続けていた人にとっては懐かしい故郷の味になるのだろうから。
国名 | エジプト |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 0 89686 12204 6(UPC) |
会社名 | Salim Wazaran Abu Alata |
製品名 | Indomie Beef Flavour (Cup) |
謳い文句 | |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net60g |
熱量 | 275kcal (1151kJ) |
Na | 1.5g |
付属品 | 粉末スープ、チリパウダー、フォーク |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 細い角断面で柔らかく、水膨れたような緩い歯応えで頼りない、初めて経験する食感 |
汁・ソース | やや透明感が残る淡い色、塩分も旨味も牛肉の香りもみな弱い、脂っぽさも殆ど無い |
具・その他 | チリパウダーを入れても辛くない、少し酸味あり、具は無し、異なる食文化を感じる |
総合評価 | ★☆1.5 |
試食日 | 2019/11/20 |
賞味期限 | 2019/11/23 |
入手方法 | 2019/05/16 Port Said (Egypt) |
税込購入価格 | 7.0 LE/EGP (≒45 JPY) |