No.6518はパプアニューギニア(以下PNGと略す)のNestlé、Maggi 2 Minute Noodles Beef Fleiva。右肩に黒地で「PNG MADE」と書かれた印はPNGで製造されたことの証である。これはMaggiの即席麺だけでなく様々な業種の製品に付けられる国を挙げてのキャンペーンで、PNGの人々に自国産品の消費を促す意味もあるのだろう。
PNGのスーパーを見た限りでは国産Maggiの即席麺は今回のビーフ味と後日紹介するチキン味の二種類のみで、カップ麺は作っていない模様。生産品目は少ないが、どこの店に行ってもいい位置で山積みされて売られていた。一個1PGK、日本円換算で27円ぐらい。
Nestléの広報資料をいろいろ調べてみると、PNGの工場(ニューギニア島東のLaeにある)は即席麺やブイヨンを30年以上生産し続けているが、基本的にオーストラリアのNestléが管理しておりPNGの工場自体には製品企画の機能は無いらしい。
不思議なのはそのオーストラリアでNestlé/Maggiの即席麺は(東側の都市を見た限り)全量マレーシアからの輸入品であり、オーストラリアでの生産は行っていないように見える。それでも距離的に近いPNGの工場を使ってオーストラリアの市場を賄うということはしていない(まあこれは工場の規模の問題があるのだろう)。Nestléはフィジー島でも即席麺の生産を行なっており、南太平洋の島嶼部ではなるべく地産地消をさせるということかな。
国際的に見てNestléの即席麺事業はとてつもなく巨大なのだが、その生産や販売の実態については調べれば調べるほど判らない点が多く、当面の私の重要課題として解いてゆきたい。
PNG版Maggi即席麺のTVCF。これを見ると家族みんなで食べる具だくさんの焼そばみたいな作り方をしており、日本の、一人で食べる汁ありの即席麺とは製品のあり方がだいぶ違うように思われる。
食べてみて、塩分が強くてうま味や香りは控えめな印象。日本の袋麺とはかなり違う味造りだが、上記動画のような肉野菜をタップリ入れて汁が殆ど無いような作り方をするならこれでいいのかもしれない。
麺は細めで表面が少しザラザラするような粗い舌触り。茹で時間は二分と早めだが、その分ふくよかさとかコシ、粘り、重量感といったものは控えめだ。
スープは塩気が強い反面うま味や香りの要素が少なくシンプル。ビーフの匂いも控えめで癖が無く、僅かだが醤油の香りがする。肉や野菜をたくさん入れることを前提とした味のように思える。脂っぽさとか辛い刺激は無い。
日本の即席麺の尺度でこうした世界のローカル麺を評価するのはあまり意味が無いようにも思えるのだが、かといって麺やスープがどのようなものかを伝えるには従来の書き方を踏襲する文体になってしまい評価点も低くなりがちで、若干のジレンマを感じるよ。
それでも、今回の試食をもってPNGという国が身近に感じられるようになったし、今後はどんどんバリエーションを増やし、PNG独自の味を輸出するぐらいに発展して欲しいと思う。
国名 | パプアニューギニア |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 9 300605 116443 |
会社名 | Nestlé (PNG) |
製品名 | Maggi 2 Minute Noodles Beef Fleiva |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで2分 |
質量 | Net84g |
熱量 | 300kcal (1260kJ) |
Na | 0.96g |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 細めで表面はややザラザラ、気泡感は無い、二分茹ででコシやふくよかさには欠ける |
汁・ソース | うま味や香りが弱く、相対的に塩分を強く感じる、脂っ気や辛い刺激は無く素朴な味 |
具・その他 | 嗜好の違いはもちろん、調理の仕方や食べられ方が日本とはかなり違うと思われる |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2019/10/02 |
賞味期限 | 2019/09/30 |
入手方法 | 2019/07/24 Rabaul(Papua New Guinea) |
税込購入価格 | 1 PGK (≒27 JPY) |