No.6487は米国の日清食品、Top Ramen Chicken Flavor。Top Ramenは1970年に日清が米国に進出して最初に販売した製品である。当初は日本で作ったものを輸入販売していたが1972年、CA州LAに自前の工場を建て現地生産化した(1970年以前は別会社が日本の日清製品を小規模輸入販売していた)。
Top Ramenは昭和の時代からほぼ同じデザインで売り続けていたのだが、2017年10月に大規模なリニューアルを行い減塩や化学調味料不添加といった健康志向を打ち出した。既に2016年9月にはCup Noodlesが同様のコンセプトでリニューアルを済ませており、これが今後米国日清が進む道なのだな。
パッケージのおもて面に水色の「No Added MSG」という表示があり、これがグルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate)を添加していませんという意味だ(天然素材由来の成分は含まれる)。各国の即席麺を食べていると、最近結構多くの国でこの表示(「No MSG」を含む)を見掛けるようになってきた。勢力的にはまだ少数派だけども即席麺の世界的な潮流のひとつだと思われる。
翻って日本はどうか?というと化学調味料不使用を謳う製品はごく少数派で、小笠原製粉のキリンラーメン改めキリマルラーメン一派とか健康食品コーナーに置かれるような製品ぐらいしか無い。私は決して化調不使用の原理主義者ではないので適切に使う分には何も問題は無いと思っているし、下手な規制が入って欲しくないとも考えるけれど、今後は化調不使用の製品も普通に選択できるぐらいの状況になってゆくべきだろうなあと思う。
ただ一般論としては、化調不使用の即席麺って味に物足りなさを感じるものが多いんだよねー。
食べてみて、麺もスープも従来のTop Ramen Chicken味とは大きく変わったように思える(前回は2005年2月のNo.3056で試食)。今回(2017年)のリニューアルはかなり気合が入ったものだったんだなあ。麺は重厚になり、これは賛否両論ありそう。スープは従来品の変な甘ったるさや軽さがすっかり消えて明らかに良くなった。
麺は中太でふっくらしており、重量感がある。別な言い方をするともっさりとした鈍重な印象でもある。従来品は日本の昭和時代の即席麺!という感じで軽快な親しみやすさがあったので、かなりキャラクターが変わっていた。
スープは若干の粘性を感じて、マイルドで穏やかな印象。尖った部分は全くない。化調不使用のためかうま味は必要最小限で、私にとっては辛うじて許容範囲内であるが、日本の強い味の製品に慣れている人には物足りなく感じるだろう。塩分も控えめ。
だが一方で、従来品で私が苦手だった変な甘味や不自然なコーンのような香りがすっかり影を潜めて、普通に食べられる味になっていた。セロリの香りが明確で、生姜の匂いもある。辛い刺激は殆ど無い。
結果的に、麺もスープも何となく日本のサッポロ一番塩らーめんに似てきたなあ?、と感じてしまったよ。
国名 | 米国 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 0 70662 01003 7(UPC) |
会社名 | Nissin Foods (USA) |
製品名 | Top Ramen Chicken Flavor |
謳い文句 | The Original, No Added MSG |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net85g |
熱量 | 380kcal (1591kJ) |
Na | 1.56g |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 中太でふっくらした舌触り、やや鈍重な印象、リニューアル前の軽い食感が変わった |
汁・ソース | まろやかな印象、うま味や塩分が必要最小限、セロリと生姜の香り、辛い刺激はない |
具・その他 | 従来品の妙な甘さや匂いが消えたのは良い、サッポロ一番塩らーめんに少し似ている |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2019/08/27 |
賞味期限 | 2019/08/27 |
入手方法 | 2019/05/31 Ponta Delgada(Portugal) |
税込購入価格 | 0.53 EUR (≒65 JPY) |