No.7207はまるか食品、味の大関 復刻版。はて?同社はもう袋麺の製造から撤退している筈なのに、一体どこが?と思って裏面を確認すると、製造は三重県のつばめ食品とある。ここは昔の北勢麺粉で、トップバリュやいわて醤油などの製品を委託生産する会社だね。
味の大関は昭和41年に登場。大手メーカの製品が実売25円程度のところに15円ラーメンと銘打って市場へインパクトを与えたらしい。(当時私はこの製品を知らなかったので後付けの知識だが)
▲わかりにくい?調理方法
今回の品の調理方法を読み、悩んでしまった。400mlのお湯は麺を茹でるためではなく、粉末スープを溶くためのものだと理解できる。とすると麺を湯切りする必要があるのか!?
幸い五個パック品を購入したのだから、通常の安い袋麺のように茹で汁でスープを溶く方法と、麺を茹でた後に湯切りして別途熱湯でスープを溶く方法との両方を試してみよう。
食べてみて、スッキリしてシンプル。まるで昭和40年代の、家の近所にあるガランとした空き地とか原っぱを見るようだ。そこにあるのは土に石に水溜まり、雑草に蝶やトンボが寄ってくる、周囲に高い建物は無く風が吹き抜ける。そういう意味でのノスタルジアがうまく表現できている。
裏を返せば今の時代と比べて足りない部分が多々ある。おもてなしの欠如とか剥き出しの鋭利な部分、穴をふさぎ切れていない箇所。そして子供の頃、日暮れ時に小枝を片手に一人原っぱにつっ立った際の、寂しさや頼りなさが蘇ってしまうのだ。
この感覚を作り出す最大の要因が、麺を湯切りすることで澱粉質の雑味を落とし、クリアな麺とスープを実現したことにあろう。実際、麺の茹で汁でスープを溶いた場合はこれほどまでの感情は湧かず、質素で凡庸な即席麺という印象でしかなかった。
まるか食品とつばめ食品がそこまで考慮して、茹でた麺を湯切りして別途熱湯で粉末スープを溶く方法を推奨しているのであれば、この製品はとても繊細な感覚の下に作られているのだなあと感服する。
麺は幅2mmの細い角断面。輪郭は明確で、緻密でしなやか。湯切りを行い澱粉質を落とすことで一段とハッキリした印象になる。重厚さや上質さはないが、きちんとした存在感がある元気な麺である。
スープは透明感がある濃い茶色で、古風でシンプルな、鶏ガラベースの醤油味。小細工が少なさそうな味だが、一つ一つの味が手に取るようにクリアで、バランスも取れている。辛い刺激はない。
この製品は、麺をゆでるお湯とは別に、熱湯を用意してスープを溶くのが基本のようなので要注意。一応ゆで汁でスープを溶くのも可としているのでやってみたが、クリアさが消失して雑味が増えた。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 902885 008125 (5P:008149) |
会社名 | まるか食品 |
製品名 | 味の大関 復刻版 (製造はつばめ食品) |
謳い文句 | 昭和41年発売 |
調理方法 | ゆで3分分離調理(分離調理でなくとも可) |
質量 | Net90/麺80g |
熱量 | 412kcal (1725kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量g0.3+7.1) |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 幅2mmの角断面、輪郭は明確で緻密でしなやか、重厚さや上質さはないが存在感大 |
汁・ソース | 透明感がある鶏ガラ醤油、質素で雑味がなくクリア、辛い刺激なし、古き良き感覚 |
具・その他 | ゆで汁でスープを溶く方式も可であり、それで作ったら濁り感が出て凡庸になった |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2023/01/13 |
賞味期限 | 2023/01/17 |
入手方法 | 2022/06/02 ドン・キホーテ |
税込購入価格 | 214 JPY / 5p |