No.7097はサンヨー食品、サッポロ一番 しょうゆ味。1966年1月に発売された、サッポロ一番シリーズ発祥の製品。だが弟や妹の出来が良いというか、同シリーズのみそラーメンや塩らーめんにシェアで負けており少し影が薄い印象。しょうゆ味の試食記を書くのは13年ぶりで、その間に食べたのも一~二回程度で久しぶり。なお、この六月からは「ウルトラマンパッケージ」が併売されている。(JANコードは別物)
▲昔のサッポロ一番しょうゆ味
(1987年製造)
私にとってサッポロ一番しょうゆ味の印象は中身以上に調理例写真の丼が強烈で、幼い時期に即席麺の丼=赤青黄の雷文模様、という図式が形成された(一時無地の丼だったこともある)。現在試食で用いる丼も、このイメージに沿うものを選んでいる。
食べてみて、私がこの製品を一番頻繁に食べた1970~85年頃の記憶や空気感が蘇ってきたよ。そして、それは今の流行りの味とはかなり異なるものである。
素っ気無いというか、あちこちに味や香りの隙間があるような印象なのだが、それもまた趣だと感じる。音楽で言えば1970年頃、まだシンセサイザーや空間系エフェクトなどが無い頃のロックやポップス等を今聞くとえらくスカスカな感じを受けてしまうが、(私は)それが嫌だとか悪いとは全く思わず、時代という隠し切れない素性を直に触ることで理解が一層深まるように思うのだ。
懐かし補正が掛かっているのかもしれないが、正直な印象として子供の頃頻繁に食べた頃の味とは少し変わっているように感じる部分もある。昔はもっと麺がモッサリしていて重たく、味は単調だったよなー、と。何かの記事でサンヨー食品は「時代に応じてごくわずかに微調整をした」と言っていたのを見たので、その部分なのかもしれない。まあ長く作っていればコスト低減や調達先変更、規制への対応等があるから、全く同一ということはあり得ないだろう。
それでも、食べれば昭和の空気感が十分に感じられる。また上記の「少し味が変わった~」という部分は、良い方向に変化したと思うので、うまい塩梅に延命してくれているなあ、と感謝する。久しぶりに食べたら、昔よく居た場所で昔の仲間に「お帰り」と言われたような気分になったよ。
麺は中太の角断面で、輪郭はハッキリしている。重量感はあまりないものの、粒立ちが良い麺である。最近の即席麺のよう人工的で過剰なコシとか粘りは無いものの、昭和の時代を彷彿される旧き佳き即席麺、という風情を持っている。
スープは少し濁り感がある濃い茶色で、生姜の香りと乾燥ネギの匂い、そして白胡椒の刺激が尖っている。これらを麺の油っぽさで中和するような構図になっており、うまくバランスが取れている。ラーメンというよりは中華そばに近い印象。麺と同様に新しさは無いものの、昔ながらの安心感や安定感がある味である。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 901734 000013 (5p:000273) |
会社名 | サンヨー食品 |
製品名 | サッポロ一番 しょうゆ味 |
謳い文句 | 特製スパイス付 うまさ サッポロにあり!! |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net100/麺92g |
熱量 | 457kcal (1913kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量1.5+4.3g) |
付属品 | 粉末スープ、スパイス |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 中太の角断面、輪郭は明確、重量感は弱いが粒立ちが良い、過剰なコシや粘りは無い |
汁・ソース | 濁り感がある茶色、生姜と乾燥ネギの香り、白胡椒の刺激を麺の脂っぽさで中和する |
具・その他 | 昔ながらの中華そばという感じの安心感がある、昭和の時代に戻ってきたような気分 |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2022/06/05 |
賞味期限 | 2022/08/24 |
入手方法 | 2022/04/21 グルメシティ |
税込購入価格 | 106 JPY |