No.6864は麺のスナオシ、きつねうどん。前回No.6863で同社のだしがきいてるうどんだっぺを紹介したが、この二つは同じ日に同じ店舗で同じ金額(税込69円)で売られていたものを購入し、同時に食べ比べを行なった。
うどんだっぺは方言や水戸発という文面で地域性を主張するのに対し、きつねうどんは属性を示す記述が無く匿名的。ともにフタにはメーカー名が未記載。
▲上がだしがきいてるうどんだっぺ(No.6863)
▼下がきつねうどん(No.6864、今回の品)
開封して二者を比べると、うどんだっぺはかやく(きざみ揚げ・わかめ・削り節・ねぎ)が付いているのに対し、今回のきつねうどんはこれが無い代わりに大きな油揚げが入っている。見た限りでは麺と粉末のつゆは同じもののように思える。
食べてみて、だっぺと比較すると麺と粉末のつゆ自体には大きな差が無いように思えたが、かやくや具がつゆに対して大きな影響を与えており、食べた印象は結構異なるものだった。つゆの味と香りに拡がりを感じるうどんだっぺ、大きくて迫力の甘い油揚げにむしゃぶりつきたいならば今回のきつねうどん。
まあどちらも税込69円ならば文句は無い。欲を言うならば今回の油揚げと、だっぺのワカメと削り節を全部入れたフルバージョン「きつねだっぺ(仮称)」があれば完璧だ!但し税込79円迄で。
麺は太めの扁平断面。うどんだっぺと酷似しており、同じものだと断言したいのだが、微妙に印象が異なった。バラつきの範囲内かもしれないが、今回のきつねうどんの方が緩いというか表面の張りとか緊張感が弱く気泡感も強く、うどんだっぺの方が締まりが良いように感じた。香りは双方とも似たようなもの。
つゆはうどんだっぺと同じ粉末包だと思われる。しかし、大きな油揚げには甘い味付けが強く施されており、これがつゆに大きな影響を与え、今回の品の方が遥かに甘く感じる。ちょっとしつこいぐらいだ。
うどんだっぺはかやくの削り節とワカメの効果で磯臭さというか拡がりを感じる香りがあったのだが、今回の品はこじんまりとした箱庭的で単調な印象。あとうどんだっぺには粉末のつゆだけでなくかやくにも乾燥ネギが入っており、ネギパワーが違う。総じてうどんだっぺの方が上質に感じる。
ところがきつねうどんのみに備わる大きな油揚げは、つゆの劣勢を一気に挽回するだけのポテンシャルを秘めていた。噛締めると甘い汁がジワ~ッと滲み出て、そして膨潤時に9~10センチ角はあろうかという大きさゆえこの快楽が永遠に続くのでは?と錯覚させられるかのような麻薬的な感覚をもたらす。この瞬間、幽かにどん兵衛や赤いきつねの背中が見えたような気がした。
というわけで、麺のスナオシ同門対決。つゆはうどんだっぺが優勢であるが、油揚げのインパクトはきつねうどんの圧勝。うどんだっぺにも細い短冊状の油揚げが入っているのだが比較にすらならない。同じ税込69円、どちらを選ぶかは極めて悩ましい。
やっぱスナオシが双方の長所を併せ持つ「だしがきいてるきつねうどんだっぺ」を作るのが、水戸が発信する世界平和の鍵となるはずである。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップうどん |
EANコード | 4 973288 640120 |
会社名 | 麺のスナオシ |
製品名 | きつねうどん |
謳い文句 | 香り高いおだしが決め手! |
調理方法 | 熱湯4分 |
質量 | Net80/麺68g |
熱量 | 358kcal (1499kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量2.0+3.3g) |
付属品 | 粉末スープ、かやく(きざみ揚げ・ワカメ・削り節・ネギ) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 太めの扁平断面、うどんだっぺと似ているが、こちらの方が少し緩いように感じた |
汁・ソース | 油揚げの味付けと相まってかなり甘く単調に感じる、醤油濃度は薄め、辛い刺激なし |
具・その他 | 油揚げは大きくて厚く迫力がある、一点豪華主義、うどんだっぺとは一長一短で迷う |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2021/02/27 |
賞味期限 | 2021/05/10 |
入手方法 | 2020/12/10 TRIAL |
税込購入価格 | 69 JPY |