No.6791は東洋水産、マルちゃん正麺 ソース焼そば。袋の即席ノンフライ焼そばはとても珍しく、現在レギュラー製品として存在するのは(大手では)これしかないかも。少し前には日清ラ王の上海焼そばがあったが(No.6137で試食)短期間で消えちゃったし。
この製品、作り方が普通の揚げ麺の袋焼そばとは若干異なる。要約すると先ず油を引いて肉と野菜を炒め、水と液体ソースを加え沸騰したら麺を入れる。一分間隔で二度ひっくり返し、ほぐして水気がなくなったら出来上がり。麺よりも先にソースを入れる点に違和感があるよ。
▲五個パック外観
今回は五個パック品を購入。本品は出来栄えのバラつきが大きいと感じられたが、何度も試食を行えたのは幸い。
食べてみて、新世代の袋焼そばという印象。やはり麺の存在感や主張が強い。例えるならば「お行儀の良い、緻密な粉の塊感」とでもいおうか。なので力感とか勢いには乏しい。まるで仕様書の要求スペックにキチッと合致させるよう精緻に設計された、曖昧さが無い麺のようだ。この点は前述した日清ラ王の上海焼そばの麺にも結構近いとも感じた。
こう書くと否定的な見解だと思われるかもしれないが、そうではなくこれも十分にアリだと思う。従来の袋焼そばが縁日の屋台をイメージさせるとしたら、これは上海やシンガポールの人工的な都会にあるフードコードで出てくるような感覚。で、日清ラ王の上海焼そばと違うのは味付けが日本ドメスティックなソース味であること、と。
なお本品は製作がシビアで、作り方の微妙な違いよる出来上がりの差が大きいように感じた。一個食べただけでダメ出しせずに、五個パックを購入して何度も試行錯誤してみるのがいいだろう。
麺は中太の角断面で縮れは弱く、ノンフライらしい緻密な舌触り。しなやかではあるが滑らかさはあまり感じず、むしろ小麦粉の粒がギュ~ッと凝縮されたような、咀嚼や剪断時にやや摩擦を感じるような粉っぽい歯応え。重量感は結構あるし、硬くはないもののだらしなさは感じない。ソースの味がついたお湯で麺を茹でるためか、芯まで味が染みている印象。
空腹に任せて一気に麺をかき込んだけれども、ひと噛みした瞬間に我に返って周囲が見えてくるような、欲に溺れたままにはならない理性を感じさせる。悪く表現するなら情緒性に欠けるかも。(変な例えだが)テクノクラートが嗜むようなイメージ、とでも云おうか。
ソースは液体らしく滑らかな口当たりで明確に甘め。砂糖の甘さというよりは甘味料的。若干の酸味もあるけれど、ピリッとくるスパイシーさは無い。ソース風味は比較的サッパリ系で、重たく暑苦しいものではない。これはノンフライ麺のために、麺からの脂の溶出が少ないことも効いていると思われる。
うま味は必要十分であまり欲張ってはいない感じ。この辺は肉や野菜を入れることを前提とした味造りのように思えた。塩分等は十分に強いので、具をたくさん入れてもへこたれることはない。
日清焼そば等の、油揚げ麺を使う古典的な袋焼そばとは明確に異なる個性を持つ製品である。「うお~!腹減った~喰うぞ~!、ガツガツ・ムシャムシャ」としたいときは油揚げ麺の焼そばを、「さて、食事にでもしますか。」という時はノンフライの正麺、という区分けでいいだろう。
国名 | 日本袋 |
ジャンル | 袋焼そば |
EANコード | 4 901990 513746 (5p:513753) |
会社名 | 東洋水産 |
製品名 | マルちゃん正麺 ソース焼そば |
謳い文句 | 生麺うまいまま製法 フライパン一つで簡単調理 |
調理方法 | 水気がなくなるまで炒める |
質量 | Net110/麺80g |
熱量 | 371kcal (1553kJ) |
Na | ~g(食塩相当量4.1g) |
付属品 | 液体ソース |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 中太で縮れは弱い、小麦粉が凝縮されたような粉っぽくて緻密な食感、存在感は高い |
汁・ソース | 結構甘めで若干の酸味、スパイシーさは弱い、旨味と香りは必要十分でしつこくない |
具・その他 | 肉と野菜を入れることを前提とした味作り、揚げ麺の袋焼そばとはかなり違う雰囲気 |
総合評価 | ★★★3 |
試食日 | 2020/10/10 |
賞味期限 | 2020/12/18 |
入手方法 | 2020/05/06 相鉄ローゼン |
税込購入価格 | 430 JPY / 5p |