No.6606はフィジーのFMF Snax、Chow Instant Noodles Tomato Flavour。フィジーで生産された即席麺。フィジーは面積が1.8万km2(四国とほぼ同じ、日本は37万km2)、人口が90万人程度の小さな国というか島の集まり。No.6600で同じフィジー製のNestlé、Maggiの即席麺を紹介している。
この製品およびNestléのMaggiを入手し、共に「Product of Fiji」の記載があることを見てすぐにこんな小さな国、それもあまり即席麺が一般的ではなさそうな地に即席麺の生産工場が二つもあるのは怪しいと思った。ならばどちらかがもう一方に製造委託しているんじゃないか?とも。
今回の品の生産者FMF Snax社は2006年の設立。これに対しフィジーのNestléは1985年から稼働している。なのでNestléのMaggiブランド即席麺製造ラインをFMF Snaxが借りて今回の品を作った、という仮説を立ててブツを見回してみたのだが・・・
う~ん全然共通項が無いなあ。袋のサイズ・材質・封止部(フィルム張り合わせ箇所)の処理・シワ(封止の設定により出来方が異なる)、スープの小袋の形状・封止・ギザギザの歯の形状、麺のちぢれ・密度、etc. みんな微妙に違う。
一方でNestléは南太平洋のご近所パプアニューギニア製のMaggiブランド即席麺と造りの上でかなりの共通項がある。
外観を観察した結果からは今回のChowとNestléのMaggiは別物であり、OEM製品ではないと断定する。もちろんうんと投資を掛けて全くの別物を作り分ける可能性はゼロではないが、生産規模がよほど大きくない限りそのような選択は無いだろう。
食べてみて、味に関してもNestléのMaggiとは全然違う!即席麺に対する開発思想が別物のようだ。No.6600の試食でMaggiの即席麺は大鍋で作って家族団欒で楽しむことを目指していると感じたのに対し、今回のChowは個人て楽しむ、日本の即席麺の食べ方に近いと思った。なので日本人が食べてもあまり違和感を持たないだろう。
麺は細めの角断面で輪郭はハッキリ。重量感はあまりない反面、軽快で活きが良い食感。ただ残念なのは小麦粉が麺になり切らずに大きなお団子になっている部分があり、食べるリズムを損ってしまう。こういった生産技術の甘さはNestlé(や日本のメーカ)ではあり得ないこと。まあここは笑って赦そう。小麦の香りは安っぽさも無くごく普通。
スープはとろっとした濁り感がある。麺から小麦が溶出したものと思われ、クリアで爽快な印象は無い。トマトの酸味と唐辛子の刺激が前面に出てきており、この製品の印象を方向付けているけれど、角が丸められており尖った感じはせずに口当りはまろやか。うま味や塩分も出しゃばらない程度でバランスが良い。退屈しない味である。
粉末スープが吸湿して半固型みたいな状態になっていた。この辺にも品質管理の甘さが見られるな。これもNestléではあり得ないことだろう。
同じフィジー製NestléのMaggiと比較すると、個人て食べるならば今回のChowの方が麺もスープもメリハリがあって好ましい味だと思う。一方、製造技術や品質管理の点で弱小メーカゆえの詰めの甘さを感じてしまった。
国名 | フィジー |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 9 416470 239603 |
会社名 | FMF Snax |
製品名 | Chow Instant Noodles Tomato Flavour |
謳い文句 | Enriched with Iron,Vitamins & Minerals. |
調理方法 | ゆで2分 |
質量 | Net85g |
熱量 | 386kcal (1630kJ) |
Na | 1.17g |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細い角断面で輪郭は明確、重量感は無いが軽快で元気がいい食感、製麺品質に難あり |
汁・ソース | トロッとした濁り感、トマトの酸味と唐辛子の刺激が強いが角が取れていてまろやか |
具・その他 | メリハリがあり最後まで飽きない、同じフィジーでもNestleのMaggiとはかなり違う |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2020/01/21 |
賞味期限 | 2020/01/04 |
入手方法 | 2019/07/13 Lautoka (Fiji) |
税込購入価格 | 0.7 FJD (≒35 JPY) |