No.7575 日清ラ王 味噌 3食パック

No.7575は日清食品、日清ラ王 味噌 3食パック。袋のラ王味噌を食べるのは11年ぶり。今年の3月からパック販売が五個から最近流行りの三個へと変更され、No.7535で同仕様の醤油味を紹介した。

現在袋のラ王は六種類の味があるが、みなパッケージの上部には「追い求めたのは 王道、本格、上質」というコピーが書かれている。だが何だか俺だけが別格で正義だ!他はクズだと言いたそうで、ちょっと尊大だなあと思ってしまう。左には丸囲いで○○産△△使用、とあり、まるでブランド物の素材を使っているように見せている。

このような権威付けを狙った演出はかえって物欲しそうに思えてしまい、個人的には共感しかねるな。

食べてみて、麺もスープも程々の品質感を持っている一方、厳しく管理され、鎖に縛り付けられて自由が制約されたような印象を受けた。作り手が想定する消費者がキチンと指示を守って作って食べる限り、安定・安心の内容で程々の幸せを得られるだろう。

だが何となく天井が低いような閉塞感を持ってしまう。ロバスト性が高いというか、丁寧に作っても雑に作ってもあまり結果に差が出ないような、愛を込めて作っても憎しみを注いで作っても同じようなものしか出来ないような、作る行為に張り合いを感じられない印象を持った。
(なお、これは同社の「これ絶対うまいやつ」にも感じる、現在の日清ノンフライ袋麺の方向性なのだろうと感じている)

この性質を上手く使えば愛を込めずに雑に作ってもそこそこ食べられるラーメンが出来るので好都合である。逆に愛を込めて丁寧に作っても何も起きず、それは無駄なことだともいえる。

例えるならば、ラ王は最近のガチガチに電子制御されたお行儀が良いエンジンで、殆どの用途はこれでいい。しかしもうちょっと感情移入をしたくなるような、古風なキャブレターのエンジンに回帰したくなる時もあるのだ。

麺は幅3mmの扁平で、厚みもありボリューム感に富んでいる。縮れは弱く、ズッシリと重たい。輪郭は少し緩さがある。緻密でしなやかで、粘りも強く、モッチリした存在感の高い麺だが、均質に整いすぎていてやや単調な気もする。

スープは薄めの茶色で、僅かに大豆をすり潰したようなザラツキがある。それでも液体らしいしっとり感や繊細さを感じる。ポークのうまみは十分に出ており、表面的には明るくて隙間の無い味だが、意外に奥の深さを感じなく、決め手に欠ける。

もっともこれは家庭で具や薬味を追加するための余地なのだろうと思う。基本的に安心・安定志向の味である。

国名 日本
ジャンル 袋ラーメン
EANコード 4 902105 902271 (3p:115114)
会社名 日清食品
製品名 日清ラ王 味噌 3食パック
謳い文句 香熟 豚骨の旨みと味噌のコク深い余韻 北海道産米麹味噌使用 追い求めたのは王道、本格、上質
調理方法 ゆで4分
質量 内容量99g/麺80g
熱量 322kcal(1,348kJ)
Na(麺具+汁) ~g(食塩相当量2.2+3.3g)
付属品 液体スープ
ノンフライ麺
湯切り 不要
3mmの扁平、厚くて量感に富む、縮れは弱く重量感大、しなやかで粘る、均質過ぎる
汁・ソース 淡めの茶色、細かなザラつき、液体らしく繊細、豚の旨味は十分、意外に奥深くない
具・その他 薬味や具を追加する隙間がある、基本的に安心・安定の味だが、もどかしさも感じる
総合評価 ★★☆2.5
試食日 2024/08/20
賞味期限 2024/10/20
入手方法 2024/03/21 相鉄ローゼン
税込購入価格 279 JPY / 3p