No.6895は日清食品、日清これ絶対うまいやつ! 豚骨醤油。姉妹品の背脂醤油をNo.6865で紹介しており、他に濃厚味噌がある(今のところ試食計画無し)。
三食パック販売であり、一個当たりの価格から判断すると、同じ日清のノンフライ袋めんであるラ王と比べやや廉価版の製品として位置付けられる。でもラ王にも豚骨醤油味が存在するので共喰いにならないのかな?と他人事ながら心配になってしまうよ。一方ラ王は安売りセールの対象となることが多く、五個パック348円とか298円で出ていることもあるのが現実だ。一個当たり価格の直接比較をしにくくするために中途半端な三個パックという形態を採っているのかも。
食べてみて、スッキリと整理された、几帳面な印象の味。そしてこれは姉妹品の背脂醤油を食べ終わった後の感想とも一致する。たぶんこれこそ日清が本シリーズで目指したものなのだろう。袋のラ王を食べる時にはそんなことは一切感じないのだから。
破綻している部分は無く、誰にでも一応お勧めできるだけの質感は持っているのだが、一方で製品名やパッケージが与える印象と中身が合っていないという違和感が終始付きまとった。これも背脂醤油の時と一緒。
麺は細めの角断面で縮れは弱い。一本一本の分離がとても明確で、舌先であの麺とこの麺を区別できる、ような気にさせる。必要十分なふくよかさは持っているが、基本的に曖昧さを排した、ちょっと冷淡に感じるほどのクールな麺という印象である。背脂醤油の麺と大体同じ印象。
スープは隙の無い、充実感がある豚骨醤油味。しっとりと滑らかな口当たりで、黒マー油の香りが全体を支配する。一見情熱的に思えるのだが、本来は物静かな役者がべらんめえ調で情熱的な人を演じているような、作られた熱情のような気がするのだ。そしてその裏では緻密な計算と冷徹な判断がなされているようでもある。
瞳を閉じて食べると、この製品を開発する情景が浮かんでくる。眼鏡をかけた白衣のエリート技術者達が、片手にフラスコを持ち白板に化学式や微積分の数式を書きつつ議論をしているような、不安定な感情を一切排した論理の積み重ねに基づく開発の進行。(これはあくまで私の妄想です。昭和っぽいかな?)
それが悪いって訳じゃあない。事実本製品は誰にでも勧めることができるレベルのものであり、死角の少ない即席麺だと思う。
でも、「これ絶対うまいやつ!」っていう根拠の無い主観的な製品名と街道沿いのラーメン屋が描かれたパッケージは極めて情緒的であり、私が本製品を食べて感じた印象には全然そぐわない。似合うのは延々と幾何学模様が連なるテクノ調の図柄であろう。
姉妹品の背脂醤油の時も含めて、食べているあいだ常に居心地の悪さのようなものを感じていたよ。きっと未試食の濃厚味噌もそうなんだろうな、と推測する。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 902105 901755 (3p:110157) |
会社名 | 日清食品 |
製品名 | 日清これ絶対うまいやつ! 豚骨醤油 |
謳い文句 | 黒マー油の香りがそそる豚骨醤油 パンチのきいた濃いめのスープが我慢できねぇ味なんだ。 |
調理方法 | ゆで4分 |
質量 | Net87/麺75g |
熱量 | 322kcal (1348kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量2.4+3.0g) |
付属品 | 粉末スープ、調味油 |
ノンフライ麺 | ○ |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの弱縮れ角断面、分離がよくハッキリした舌触り、ふくよかさもあるがやや冷淡 |
汁・ソース | 隙が無い印象の豚骨醤油、黒マー油の香りが支配的、滑らかな喉越し、真面目な印象 |
具・その他 | 水準以上の質感があるが、製品名や外観と中身との間に乖離を感じた、姉妹品も同様 |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/04/30 |
賞味期限 | 2021/05/10 |
入手方法 | 2020/09/23 相鉄ローゼン |
税込購入価格 | 215 JPY / 3p |