No.6887はサンポー食品、焼豚ラーメン。前回試食記を書いてから十年経つので、定期巡回として採り上げる。
焼豚ラーメンは1978年の発売でもう43歳。私が1984年の夏に初めて九州の地に足を踏み入れスーパーへ行ったところ、サンポーやマルタイ等関東圏では見たこともない即席麺がズラリと並び、そこはもう宝の山状態。焼豚ラーメンはその一つ(当時はまだきちんと収集を始めていなかったので現物は残存せず)。既に関東圏でも豚骨ラーメンは一般化していたが、この焼豚ラーメンの強烈な匂いに一撃でノックアウト、深い感銘を受けた。今まで食べてきた豚骨ラーメンって何だったのか?関門海峡の深さを思い知ることになった。
食べてみて、初めて食べた時のような衝撃は無い。それは本製品が変わったのではなく他の製品が過激になったこと、それに伴い私の味覚が鈍感になったことが原因だと思う。それでもスープの香りを鼻孔に含ませればあの時の想いが蘇ってきて、これからもこのままずっと在り続けてほしいなあ、と思うのだ。高級感だのまるで生麺みたいなリアルさだのとかは無縁の製品だが、そんなチンケな評価軸など超越した存在である。
麺は細く、ザラザラした舌触り。気泡感もあって噛み心地は鈍めである。しかしこうした物理的な弱さの割にはしっかり重厚な存在感があり、スープとの相性も良い。ラードを含んだ揚げ油の効能だろうと思う。
スープは白く濁ったミルキー豚骨。うま味がとても強く、香りも華やかだが脂っぽさは控えめ。調味油は過度な主張をせず、密かに重厚感を出している感じ。黒胡椒やニンニク臭が主張する一方で、紅生姜の酸味がバランスを取っている。獣臭さは程々で、昔よりもだいぶ弱まった印象。
製品名にもなっている焼豚は、面積が大きいもののとても薄く、向こう側が透けて見えそう。噛み応えも貧弱に思える。これが伝統の個性だとする人もいようが、カップ麺の具としてはもう少し厚みを増してしっかりした歯応えをつけて欲しいと思う。質量は今のままでいいから。味付けは良い。
私的感情としてはこの焼豚ラーメンについては衝撃的な出会いに始まり様々な記憶があり、美味しい不味いという次元ではなく、好きな製品なのだ。
国名 | 日本 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 901773 010011 |
会社名 | サンポー食品 |
製品名 | 焼豚ラーメン |
謳い文句 | 九州とんこつ味 Since1978 変わらぬ美味しさい、つまでも。 |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net94/麺71g |
熱量 | 433kcal (1813kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量2.0+3.3g) |
付属品 | 粉末スープ(ねぎ・コーン入り)、焼豚、調味油、紅生姜 |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細く粗めの舌触り、気泡感があり噛み心地は鈍め、存在感がありスープとの相性良し |
汁・ソース | 旨味がとても強く香りも華やか、重厚だが脂は控えめ、黒胡椒とニンニク臭と紅生姜 |
具・その他 | 焼豚は大きいがとても薄い、昔より獣臭さが弱くなった気もするが長く続いて欲しい |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/04/13 |
賞味期限 | 2021/05/27 |
入手方法 | 2021/01/06 相鉄ローゼン |
税込購入価格 | 149 JPY |