No.6867はイトメン、タヒチ風チャンポンめん。イトメンを代表する製品であるチャンポンめんの発売57周年を記念して、2020年8月に発売された数量限定品である。現在はもう入手困難な模様。
▲タヒチにて、マグロの刺身と甘いわさび醤油
イトメンのWebサイトにある「イトメン式新製品開発」を読む限りタヒチの食文化をきちんとリサーチして作ったものではなく、想像上の食べ物のように見えるな。私はタヒチへ行った経験があるが、味の嗜好は意外と日本に近いと感じたよ(マグロの刺身をわさび醤油で食べたりする)。なので今回の品のココナッツカレー味というのは安直なステレオタイプのようにも思えるが、まあおめでたい記念企画なので無粋なことは言わないにしよう。
▲イトメンのタヒチ向け製品
イトメンはタヒチと縁が深く、日本からタヒチ向け専用の製品を輸出して現地での存在感も結構高い。イトメン曰く「タヒチで1番売れています!」とのことだが、製品単位だったらそうかもしれないなあという程度には頻繁に見かけた。ただしメーカー別のシェアだとたぶんNestlé(Maggiブランド)の方が上だろう。
タヒチはフランス領なのでフランス籍の即席麺もよく見掛けるし謎の日本企業(日華食品、中国製)の即席麺もあったりして、街を歩いていても結構面白かった。
食べてみて、いわゆる南国風カレー味の衣をまとったチャンポンめんであり、取って付けたような印象であるのだが、お祭り製品として珍しさや面白さは十分感じられるし、それでいいと思う。だが、もしこれを「社運を懸けて新たな定番製品にします!」と宣言するならば、止めたほうがいいんじゃない?と言うが。
麺は細く、輪郭はちょっと曖昧。歯応えも鈍めで、ややボソボソした食感である。これは塩を使わない無塩製麺であることが強く影響しているものだろうと推測する。まあ歯応えやコシであまり強く存在を主張しないのがイトメンの個性なんだろうと思う。
スープはココナッツミルクパウダーの香りが表に立つ。でもあまり濃厚ではなく若干の透明感もあり、乳臭いと感じるほどではない。ターメリックのほのかな香りがカレーっぽさを演出するが、辛い刺激は程々であり小さな子供でも大丈夫。基本骨格はオリジナルのチャンポンめんにも通じるアッサリした塩味だが、結構な厚化粧をしたような印象で、うま味と甘さがかなり強い。
かやくにはいつもの干しエビと干し椎茸が入っているが、これはココナッツカレー味には全然合っていないように感じた。無くてもいいんじゃないかな?
各要素のバランス調整が粗っぽく、レコーディングでいえばラフミックスのような状態だと感じた。個人的にはもっとカレーっぽい刺激を強くして甘さは控えてかやくは別物に差し替えて・・・などと思う部分が多々あるが、そうするとターゲット層が限定されてしまうだろうし、突き詰めると本腰を入れた新規の製品開発に他ならなくなっしてまうだろう。
今回はチャンポンめん誕生57周年の限定品なので、難しいことは考えずに一緒にお祭りを楽しめば良いのだと思う。(っていう割には試食するのが遅いか。とっくに57周年を過ぎちゃったよ)
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 901990 100350 (5p:100336) |
会社名 | イトメン |
製品名 | タヒチ風チャンポンめん |
謳い文句 | ココナッツとカレーがほんのり香る ココナッツカレー味 数量限定 無塩製麺 |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net87/麺78g |
熱量 | 405kcal (1696kJ) |
Na(麺具+汁) | ~g(食塩相当量1.0+3.6g) |
付属品 | 粉末スープ、かやく(えび・しいたけ) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細く、輪郭は曖昧で歯応えも鈍め、無塩製麺だからかも、チャンポンめんらしい個性 |
汁・ソース | ココナッツの甘ったるさ、若干の透明感はある、ターメリックの匂い、そう辛くない |
具・その他 | 具の干しエビと椎茸はスープに合わない、少々荒削りだが57周年企画としては面白い |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2021/03/05 |
賞味期限 | 2021/04/30 |
入手方法 | 2020/09/24 播州麺本舗 |
税込購入価格 | 540 JPY/5p |