No.6788はオーストラリアのSuimin Foods、Suimin Origins Premium Noodle Bowl, Beef Massaman Flavour。製造はタイとの記述があるが、どの企業によるものかは不明。
今までウチではSuimin(および実質的に同じ企業のFantastic)の即席麺を約十種類試食してきたが、全て普及価格帯に属する簡素な製品で、言っちゃ悪いが安かろう悪かろうの代物であった。しかし!今回の品はついにスイミンのプレミアム!豪州に高級即席麺の需要があるのかと意外な驚きがあった。ちなみに兄弟会社のFantasticには高級系列が無く、両ブランドの上下関係が伺える。
食べてみて、仕掛けが大袈裟な割に味は大雑把な印象。なにしろカップは大柄で、スープやかやくの小袋が五包も付いてくる。個々のパーツは(豪州の即席麺としては)少しは頑張ったんだろうが、相互の連携とか相乗効果とか役割分担といったものが無く各自が勝手に騒いでいる学級崩壊したクラスのようである。
これはひとえにコンダクター不在、製品全体をまとめる責任者の能力不足ではないかと思うのだ。タイのマッサマンカレーのレシピに則り具材をポンポンと安直に配しただけのように感じたよ。きちんとした目利きが各要素をうまく配合して磨き上げれば、コストを上げずにもっと光り輝くようになるはずだ。
とはいえ、ピーナッツだのジャガイモだの、いろんな具が入っているのは理屈抜きに楽しいので、総合評価は★2.5点としている。
麺は幅広の扁平で、輪郭は明確でエッジもシャープ。気泡感は無いものの表面はややザラザラした荒さがある。それなりに縮れがある反面硬めなのでゴワゴワした食感である。かん水は使われていないようで色は白くうどん的。結構な重量感がある。
この麺が排他的というか唯我独尊というか、スープと馴染もうとせず突っ張った印象。他方スープや具もそれなりの主張があるので、どうしてもぶつかってしまうのだ。
スープは澱粉質のドロドロした舌触り。せっかくのマッサマンカレーなのに味や香りが間接的で、まるでふすま一枚を隔てて隣の部屋の会話を聞くような感じがもどかしい。脱脂粉乳のクリーマーによるマイルドな乳臭さもあるが、意外に甘ったるさは無い。牛肉の香りは弱い。
カレーの香辛料や辛い刺激はドロドロ澱粉質とクリーマーに遮られてくすぶっている(決して刺激が無いわけじゃない)。総じて陰気なカレーという印象。
具はフライドではなく熱風乾燥したチップ状のじゃがいもが珍しい。ただ湯戻りが悪く歯応えもふにゃ~っとした頼りない感じ。煎りピーナッツとフライドオニオンは量が多いけれども香ばしさがいま一つ。
ホント各要素のバランスを微調整するだけで、俄然面白くなるポテンシャルを持っていそうなんだよなあ。勿体無い。
国名 | オーストラリア |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 9 310155 009676 |
会社名 | Suimin Foods |
製品名 | Suimin Origins Premium Noodle Bowl, Beef Massaman Flavour |
謳い文句 | |
調理方法 | 熱湯4〜5分 |
質量 | Net137g |
熱量 | 650kcal (2720kJ) |
Na | 2.81g |
付属品 | ペースト状スープ、ココナッツパウダー、じゃがいも、煎りピーナッツ、揚げねぎ、フォーク |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 幅広で表面は粗い、輪郭は明確、縮れが強く硬めでゴワゴワ、スープとの親和性が悪 |
汁・ソース | 澱粉質のドロドロと脱脂粉乳の乳臭さでカレーの香りや刺激が覆われる、もどかしい |
具・その他 | 馬鈴薯はフニャ、トッピングは香ばしくない、楽しいが各要素のバランスが良くない |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2020/10/06 |
賞味期限 | 2020/09/03 |
入手方法 | 2019/07/21 Cairns (Australia) |
税込購入価格 | 2.0 AUD (≒152 JPY) |