No.6749はチュニジアのFlavourtech、Budget Instant Noodles Chicken Simulated Flavor。コロンビアで購入したものであり、No.6739で姉妹品のビーフ味を紹介している。同社のWebサイトはアラビア語の他に英語・ロシア語・トルコ語・スペイン語・フランス語を選択可能で、幅広い国々への、輸出主体の企業であることが伺える。
販売する国によっては、合成香料だけを使った製品にはその旨を表示する義務があるようで、Artificial Flavourという表記を頻繁に見掛ける。だがシミュレ―テッドFlavourという言い方はここの製品で初めて見たな。
食べてみて、No.6739ビーフ味と同様に脆い食感の麺が全体の印象を低下させてしまう。だがビーフ味はスープにちょっと個性があって一応の存在価値を認めたけれど、今回のチキン味はスープも凡庸なので、日本の即席麺に慣れている人には勧められないと思った。
麺は中太でエッジは鈍い。色は黄色がかっていてかん水の匂いが漂ってきそうで(実際のところかん水の匂いは全くしない)、見た目にはふくよかだし結構おいしそうな麺。
しかし、口に含んでみると粘りに欠けて脆い歯応え。小麦の粉がとりあえず固まっているだけで、その結合力は弱く、大袈裟に表現するならば崩れて溶けてしまいそう。まあ実際に溶けることはないにしても、ボソボソした食感は決して心地良いものではなく不安とか不快になってしまう。香りも不愛想だ。日本のラーメン・即席麺の価値観に沿って評するならば、とても残念な質感であると言わざるを得ない。
だがしかし、この製品がアフリカ欧州・中米等で販売されていて食べられているのも事実であり、この麺でいい、この麺がいいという人が相当数いるということでもある。そもそも食習慣が異なる極東アジアの人間が自分の尺度だけで「こりゃダメだ」なんて貶すことは傲慢で視野が狭いことの表れのようにも思えてきた。海外製即席麺の評価には、まず自らの立ち位置を明確にしなければならないなあ。
スープはやはり黄色く、麺から溶出した澱粉質のゴモゴモ感があって鈍い舌触り。塩分が結構強く、合成チキン風調味料のうま味や香りも強い。粉末っぽさを強く感じる。醤油や魚醤のアジアっぽい匂いはせず、日本風に言えば塩ラーメン的。辛い刺激は無く、香りの種類も少なく、強い味なのに単調な印象。まあ割と類型的なチキン味のスープである。キャベツ等をたくさん入れたり、少しお湯の量を多めにして味を薄めたほうが食べやすくなるかな。
国名 | チュニジア |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 6 27164 00300 7 (UPC) |
会社名 | Flavourtech |
製品名 | Budget Instant Noodles Chicken Simulated Flavor |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net85g |
熱量 | 400kcal (1674kJ) |
Na | 1.2g |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 中太でふっくらして黄色い、食べると脆くて崩れそう、ボソボソした食感で頼りない |
汁・ソース | 濁り感あり、塩分と人工的な旨味が強く乾燥臭い、辛い刺激はない、強い味だが単調 |
具・その他 | 味の濃いスープは多少の調整が可能だが、日本人はこの麺を受け入れ難い、冒険者向 |
総合評価 | ★☆1.5 |
試食日 | 2020/07/17 |
賞味期限 | 2020/06/09 |
入手方法 | 2019/06/17 Cartagena (Columbia) |
税込購入価格 | 1,100 COP (≒33 JPY) |