No.6670はイトメン、新伊府麺。英文の表記はNew Yee Fu Men。タヒチ向け専用製品で、日本では流通していないもの。
▲タヒチのスーパーにて
タヒチは即席麺に関して特異な場所である。南太平洋に位置するけれども仏領なのでフランス籍の製品が多い。そしてイトメンはタヒチ専売製品を複数有しており、新伊府麺は今回の品以外にも青袋のチキン味があり(未入手)、さらにAll-In-One Ramenという製品もある(袋とカップ、近日紹介予定)。一方で日本の会社なのに日本へは製品を出さず多分タヒチ専売の日華食品はNiklka Ramenを販売。NestléのMaggiは袋がフィジー製だがカップはマレーシア製等、とっても面白い。
「伊府麺」を調べると中国の伊さん考案による、小麦を水ではなく卵で練った生地を麺状にして油で揚げたものらしい。油で揚げるところは即席麺の製法そのものだが、今回の品の原材料名を見ると麺に卵は使われていないようで、正統な伊府麺を再現したものではないようだ。だから「新」伊府麺なのかもしれない。
食べてみて、旧き佳き時代の日本の古風な即席麺、という印象。どこにもタヒチらしい、南国らしい要素は見当たらない。一方でパッケージの印刷を見ると昭和時代、1980年頃のセンスを引きずるものに見えるけれども、これが平成を過ぎ令和の今に至ってもずっと売られているということは、タヒチの人達からそれなりの根強い支持を得ているということが伺える。
▲粉末スープの袋は和英併記
麺は細めの角断面。あまりコシとか粘りはなく、歯応えは淡々として頼りない。イトメンが日本国内向けに出している無塩製麺の袋麺とよく似た食感である。(栄養成分表を見ると麺に塩は使われていない)
スープは濁り感がある薄口の醤油味。尖った部分が無いまろやかな口当たり。畜肉っぽいうま味は感じられず、脂っ気も無いのでアッサリして力感に欠ける。辛い刺激は無い。
しかし、粉末スープには小エビかオキアミの欠片が入っていて、チクチクした舌触りと乾物っぽい香ばしさが漂い、良いアクセントと個性をもたらしている。同社のチャンポンめんに通じるあの匂いだ。安っぽいけど悪くない。
▲タヒチ名物、Hinano Beer
(本文とは関係ありません)
というわけで、無塩製麺の麺とオキアミの香りによりイトメンらしさが存分に発揮されている製品であった。とはいえタヒチ専売製品でありながらも南国っぽさは皆無であり、寒い時期にこたつにでも入りながら食べるのが似合いそうでもある。
▼YouTube動画のオープニングタイトルにある「パナマ市場向け」という記述は間違えです
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 901104 850040 |
会社名 | イトメン |
製品名 | 新伊府麺 New Yee Fu Men (タヒチ向け) |
謳い文句 | Japanese Style Alimentary Paste with Vegetable & Shrimp Soup Base |
調理方法 | ゆで2〜3分 |
質量 | Net86/麺80g |
熱量 | 391kcal (1637kJ) |
Na | 〜g(食塩相当量4.13g) |
付属品 | 粉末スープ(えびパウダー、ねぎ入り) |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの角断面、コシや粘りに欠け淡々とした食感、国内向け無塩製麺の麺に似ている |
汁・ソース | 濁り感があり薄めの醤油味、畜肉っぽさは無くうま味は人工的、力感や刺激も控えめ |
具・その他 | オキアミのチクチクした食感と香ばしさ、南国っぽさ皆無だがイトメンらしさがある |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2020/04/10 |
賞味期限 | 2020/03/11 |
入手方法 | 2019/07/06 Papeete (Tahiti/French Polynesia) |
税込購入価格 | 95 CFP (≒95 JPY) |