No.6666はスペインのNestlé España、Maggi Fusian Pasta Oriental Sabor Ternera。仔牛風味で製造はウクライナ。最近ウチが注目している欧州発の汁なし麺である。今回の製品はお湯の量の指示が200mlと日本の袋焼そば程度。
ここで情報を整理すると、袋の汁なし麺は三通りに大別できる。
①少量のお湯とともにフライパンで麺を炒め、水分を飛ばし味付
→ 日本の袋焼そば
②たっぷりのお湯とともに鍋で麺を茹で、湯切りし味付
→ インドネシアのミーゴレン、韓国の炒め麺など
③少量のスープとともに鍋で麺を茹で、水分をほぼ吸収させる
→ 欧州の汁なし麺
今回の品は③に相当する、日本には無いタイプの製品である。
直近のNo.6576と6659で、イタリアのMaggi(Nestlé Italiana)の欧州汁なし麺を紹介した(これもウクライナ製)。
▲Maggiのスペイン向け汁なし麺
イタリア版はお湯200mlに油小さじ一杯を入れる指示があった。しかし今回の品(スペイン版)は油を入れる指示が無い。一方、今回の品には電子レンジ調理も可とする記述がある。たぶん同じ工場で作っている製品なのに、イタリア向けとスペイン向けでは細部にいろいろな相違点があるのが面白い。
食べてみて、汁なし麺なのに焼そばとは全く違う世界。焼そばといえば縁日の屋台・焦げ臭いソースの香り・こってり濃い味、といったイメージが浮かんでくるが、この製品はその何れにも当てはまらない。かといってお上品とかかしこまった風でもなく、眼に浮かんでくるのは欧州の小じんまりとしたダイニングの風景。新しいタイプの製品ながら、普遍的な日常性を持っているように感じられた。
麺は細めの角断面。輪郭は明確で適度なコシと滑らかさがある。だが歯応えは事務的で単調。小麦の香りはあまり感じない。存在感は結構あるが、高級感は無い。
実は作っている際に結構ヒヤヒヤしていた。ゆで時間は三分の指示があるのだが、二分を経過したところでまだ硬くてゴワゴワ。下手をすると三分経っても硬いままか湯戻りのムラが盛大に出来てしまうのでは、と恐れていた。しかし三分の時点で丁度平均して湯戻りしてくれて、スープの液体分は蒸発もしくは麺に吸収されてほぼ無くなっていた。焦げ付きも起きず、ゆで時間の三分と水の量200mlは絶妙なバランスだったのだ。
スープは殆ど無くなりトロッとした液体が僅かに残るだけ。でも違和感は無い。牛肉の香りは明確に判るものの粉末臭くて人工的。醤油の香りがして、塩分も強めだが、辛い刺激は無くちょっと単調でもある。野菜を入れたいなあ。
この欧州風汁なし麺、まだ発展の可能性があると思うのだが、一方で製作条件がシビアであり、茹でる時間が30秒早くても遅くても致命的な失敗となってしまいそうだ。この点が日本の市場には合わないかなあ。
国名 | スペイン |
ジャンル | 袋汁なし麺 |
EANコード | 4 820048 619462 |
会社名 | Nestlé España |
製品名 | Maggi Fusian Pasta Oriental Sabor Ternera (Beef Flavour)(製造はウクライナ) |
謳い文句 | |
調理方法 | ゆで3分/電子レンジ1分 |
質量 | Net71g |
熱量 | 322kcal (1350kJ) |
Na | 〜g(食塩相当量2.19g) |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの角断面、輪郭は明確で適度なコシと滑らかさがある、歯応えや香りはやや単調 |
汁・ソース | とろっとした液体が僅かに残るだけ、牛肉の香りは明確だが粉末人工的、塩分が強い |
具・その他 | 辛い刺激は無い、野菜を入れたい、欧州風汁なし麺は製作がシビアだが可能性はある |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2020/04/05 |
賞味期限 | 2020/02/28 |
入手方法 | 2019/05/27 Motril(Spain) |
税込購入価格 | 0.63 EUR (≒78 JPY) |