No.6639は香港の日清食品、出前一丁 麻油味。英文表記はDemae Iccho Classic Series Sesame Oil Flavour。香港の出前一丁はいくつかのシリーズに分かれているのだが、この製品は「經典系列(Classic Series)」に属する最もベーシックなものであり、日本の出前一丁に相当する位置付けだと思われる。
ウチでは昨年九月のNo.6501で姉妹品の香辣麻油味(Spicy Sesame Oil flavour)を紹介しており、また次回No.6640で日本の出前一丁を扱う予定。この三種類は外観がよく似ているけれど、中身は結構相違点があった。結論を言うと日本人には日本の出前一丁が一番良い。
それぞれ別添で橙色の調味油がついているのだが、端的に言って
・No.6501 香辣麻油味(香港):鋭い辛さ、ごまの香りは薄い
・No.6639 麻油味(香港):辛くない、弱いごまの風味
・No.6640 日本版:程々の辛さ、強いごまの風味
という感じであり、これが製品全体の印象に影響する。
なお何れも調味油の存在を強く感じるのは食べ始めの一口~二口目程度までであり、その後は刺激も香りも急速に薄らいでしまうように感じられた。
食べてみて、ごま油が付いているのは(出前一丁以外の)他製品と比べた際の個性や優位性になっているが、それ以外の部分では麺もスープもアッサリして素っ気ない。日本の即席麺でありがちな味や香りに取り囲まれるような圧迫感は無いので、肩の力が抜けているような感じでもある。
麺は細く、表面がザラザラしていて摩擦係数が高そうな印象。これはNo.6501香辣麻油味の際にも感じたことで、日本の出前一丁がツルツルした舌触りなのとは対照的。どちらが良いとは一概に言えないが、若干の違和感を覚えたのも事実。あまり重量感は無く、歯応えを楽しむものではない。嫌な味や香りはしないが、さりとて芳醇というものでもない。普通の即席麺の麺である。
スープは少し濁り感のある醤油がベースで、やや人工的で粉末っぽいが、畜肉系のうま味が過不足なく出ている。味そのものは決して消極的ではないが、脂っ気が無く濃厚という感じではない。正直ちょっと平板で、奥の深さなどは期待できないものである。
ごま油は微妙な存在であり、勿論無いよりはあった方が良い。しかし香りは地味で、存在を意識できるのは最初の数口だけ。もうちょい絶対的な香りの強さとか持続性が欲しいと感じた。辛い刺激は無く、食べる後半戦では固有の特長は消え失せ、競合他社への優位性もなくなったように思えた。
明日紹介する日本版の出前一丁とはかなり違うものである。ザラザラした舌触りとサラッとした食感の麺、ちょっと痩せた感じのあるスープ、辛くないごま油。一方同じ香港版の香辣麻油味とは同系統の味であり、辛さの好みで選択すれば良いと思う。一般的な日本人の嗜好には、日本版の出前一丁が一番合うだろう。
国名 | 香港 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 897878 000012 |
会社名 | 日清食品(香港) |
製品名 | 出前一丁 麻油味 |
謳い文句 | 香港製造 附加「麻油」 |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net100g |
熱量 | 457kcal (1913kJ) |
Na | 1.862g |
付属品 | 粉末スープ、調味油 |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細くて表面はザラザラ、重量感はなくサラサラした軽い口当たり、自己主張は弱い麺 |
汁・ソース | 少し濁り感がある醤油味、うま味は粉末っぽいが必要十分、脂っ気は少なくアッサリ |
具・その他 | ごま油が効果的なのは最初だけ、辛い刺激は無い、日本の出前一丁よりも素っ気ない |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2020/03/03 |
賞味期限 | 2020/02/02 |
入手方法 | 2019/04/25 恵康Wellcome (Hong Kong) |
税込購入価格 | 4.4 HKD (≒63 JPY) |