No.6602はシンガポールの日清食品、Cup Noodles Spicy Seafood Flavour。漢字表記は香辣海鲜味杯面で、実際の製造はタイ。シンガポールの日清食品はアジア地域の統括事業および同国内の販売のみで製造は行っておらず、タイやインドネシアの工場で作ったものを輸入販売する。
私は全ての販売地域のカップヌードル(印刷言語の違いは除く)を各二種類以上食べた経験があるが、同じブランドなのに中身にはさほど統一感が無いと思っている。そんな中で日本のカップヌードルに一番近いと感じるのがこのシンガポール版である。原産国であるタイ版よりも日本版に近いということは、仕向地の嗜好に合わせて意識的に作り分けている証でもある。
あと従来シンガポール版カップヌードルの包装は米国・メキシコ版と同様のボール紙によるカバーを付けていて、またカップは硬質樹脂製だったもの。しかし今回の品はカバーが廃止されておりカップも紙製に変更されていた。2011年頃にタイ市場でのカップヌードルはこの二種類の包装形態が混在していたので、シンガポール向け製品も同時期にエコ包装に切り替えたのだろう。
食べてみて、ピリ辛ミルキー海鮮。やはり日本のカップヌードルにとても近い雰囲気を持っていて、このまま日本市場にもってきても十分通用するだろうと思う。強いて言えば具がちょっと物足りないかな~、とも思うが、これでも海外のカップヌードルおよびカップ麺としてはズバ抜けて豪華で大量の具である。
麺は細めの扁平断面で、コシはあまり強くない。でも舌触りや香りが軽快で、人と調和するというか親しみを感じるもの。しっとりとした粘りがあってギスギスしない。で、これらの特長が日本のカップヌードルの麺(無印およびシーフード辺り)とよく似ているのだ。前回No.6601のメキシコ版なんて日本のものとは全然別物だったのとは対照的。これなら目隠しして食べてもカップヌードルの麺です!と言い当てることが出来る気がする。
スープは橙色がかった濁り感があり僅かにトロッとした舌触り。日本のカップヌードル シーフードヌードルに一脈通じる味と香り。あまり磯臭い味ではないが、ちょいミルキーさがあり辛さは程良く緊張感を与える程度。僅かに酸味も感じる。日本のシーフード味よりちょっと雑味というか不協和音が聴こえる感じでもある。
具はキャベツと卵がたくさん、海外のカップ麺としては破格の量であり日本のカップ麺並みの量。イカは細くて薄い干物みたいであまり存在感は無い。あとはカニカマ入り。
日本人が何ら違和感なく食べられる製品である。このまま日本市場に出してもいいぐらいなのだが、逆にシンガポールならではの個性的な味や香りというものを持っている訳でもないので、商売としては成立しないだろう。タイ版のような如何にも!といった特徴が無いとねえ。
国名 | シンガポール |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 8 888279 102074 |
会社名 | Nissin Foods Singapore |
製品名 | Cup Noodles Spicy Seafood Flavour 香辣海鲜味杯面(製造はタイ) |
謳い文句 | Lots of Ingredients! |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net75g |
熱量 | 300kcal (1270kJ) |
Na | 1.83g |
付属品 | 粉末スープ、かやく(キャベツ・ネギ・卵・イカ・鶏肉・カニカマ)は混込済 |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの扁平断面、コシは強くないが軽快感がある、日本のカップヌードルの麺に近い |
汁・ソース | 橙色の濁り感、ピリ辛ミルキー海鮮味、やはり日本っぽい味と香り、やや酸味と雑味 |
具・その他 | キャベツと卵が多い、イカは存在感が弱い、味も食感も日本のカップヌードルみたい |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2020/01/16 |
賞味期限 | 2020/01/02 |
入手方法 | 2019/07/13 Lautoka (Fiji) |
税込購入価格 | 3.95 FJD (≒198 JPY) |