No.6599は台湾の維力食品工業(Weilih Food Industrial)、Ichiban Delicious Instant Noodles。オーストラリア向けの輸出仕様であり、台湾オリジナルの製品名は「一度贊 紅燒牛肉麵」。なぜか日本語の「一番」が入っている。
オーストラリア向けのためかフタには「with Real Australian Roast Beef」と書かれており、これを見たオージー達は「俺たちの肉を使っているぜ!」と喜んで買い込むのだろう。あと「台湾製だけど最低20%はオーストラリアの材料を使っているよん」みたいな表示がある。海外の即席麺ではたまにこのような材料の国籍による比率表示を見掛ける。
製品の特長はレトルトによる牛肉が付いていること。これは最近の試食ではNo.6577で紹介した台湾の統一企業、滿漢大餐が作り出し、今回の維力の一度贊、味丹企業の味味一品などが追従した台湾独自ともいえる即席麺のジャンルである(袋麺もある)。具だけが豪華で、麺とスープは安っぽいのも各社で共通する特徴。まあこのへんは即席麺に何を求めるかの価値観が、日本と台湾で結構異っているからだろうなあ。
食べてみて、やはり具の牛肉だけが突出して立派で、麺とスープは並以下という印象。もしも具が無かったら総合評価は★2.0がいいところだろう。牛肉に関してはNo.6577の滿漢大餐よりも量が多くて力感もある。もしも日本の高級即席麺の麺とスープに今回の一度贊レベルのレトルト肉が合体したら、幻ともいえる総合評価★4.5以上を付けちゃうかもしれない、と空想する。
麺はやや細めの扁平断面で、統一企業の滿漢大餐よりも細くてボリューム感は少ない。待ち時間は2分と短いが、3分にしてもっとしっかりした麺のほうが良いように思う。気泡感は強くてコシは弱く、食感は頼りない。存在感においては具の牛肉はおろかスープにも負けている。日本のディスカウント店で80円以下で安売りされるカップ麺と似たようなレベルの品質感である。
スープは醤油ベースの牛肉味。粉末っぽくて味の深みに欠ける。一応調味油は付いており、表層的な脂っぽさはあるのだが、しっとりとした奥行き感とか土台のしっかり感が無い。一方でやや人工的なうま味とか塩分は強い。そして別添チリペーストの刺激もかなりもので、辛いのが苦手な人は量を控えめに調整する方がいいだろう。中華風というよりも台湾風の香りが強く、台湾の街を歩いているような気分になった。
レトルトの牛肉は量も質感も満足できるもの。まあレトルト具材は結構当たり外れが大きいので私の経験が絶対全てだとは思わないが、No.6577の滿漢大餐と比べて1.5~2.0倍ぐらいの量がある。小指~親指の先ぐらいの大きさの肉塊が10個ぐらいはあっただろうか。麺と牛肉が対等な頻度で存在感を競い合う。但し、肉の味付けは滿漢大餐よりもちょっとわざとらしさを感じた。
あと(人によってはマイナス要因だが)若干の脂身が入っていたのも私にとっては好印象。適度な脂身があると身体に潤いを与え、力がみなぎってくる(ような気がする)のだ。
とにかく具の牛肉だけが燦然と光り輝いているような製品。オーストラリアで日本円換算約300円で購入したものだが、輸送費などを考えればまあ妥当な線、値段分の価値はあると思う。
国名 | 台湾 |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 4 710199 013298 |
会社名 | 維力食品工業 Weilih Food Industrial |
製品名 | 一度贊 紅燒牛肉麵 Ichiban Delicious Instant Noodles(オーストラリア向け) |
謳い文句 | with Real Australian Roast Beef |
調理方法 | 熱湯2分 |
質量 | Net200g |
熱量 | 758kcal (3170kJ) |
Na | 3.2g |
付属品 | 液体スープ、粉末スープ、レトルト具(牛肉)、チリペースト |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの扁平断面は気泡感が強い、コシは弱く頼りない食感、具やスープに負けている |
汁・ソース | 醤油ベースの牛肉味、結構辛い、台湾っぽい香り、うま味はやや人工的、塩分も強い |
具・その他 | 牛肉は大量で適度な脂身もあり満漢大餐以上、麺とスープは安っぽく、具だけが豪華 |
総合評価 | ★★★3 |
試食日 | 2020/01/12 |
賞味期限 | 2019/12/31 |
入手方法 | 2019/07/18 Brisbane (Australia) |
税込購入価格 | 3.85 AUD (≒293 JPY) |