No.6560はサンヨー食品、サッポロ一番 ごま味ラーメン。パッケージには「ごま味しょうゆラーメン」と書かれているが、公式名称に「しょうゆ」は含まれない。1972年9月発売の長寿製品であり、一時期西日本専売だったが今は全国区に戻った、筈なのだが関東圏では滅多に見掛けない。
▲1984年6月製造パッケージ。切り胡麻は無し。
購入したのは日本ではなくオーストラリアのアジア系食材店。前回食べたのは八年前(No.4590)で、この時もタイで買ってきたものだった。実のところ現在の日本国内において、五個パック品ならともかく単品でサッポロ一番 ごま味ラーメンを入手するのは結構難易度が高いのだ。なので偶々海外で出会ってしまった瞬間、私の心の暴走をもう誰にも止められない。
ごま味ラーメンといいながら、当初切り胡麻は付いていなかった。二つ上の写真の私が持つ最古のパッケージ(1984年製造版)だが、この後1995年版まで切り胡麻は無し。1999年版では縦長パッケージに変更され、切り胡麻が添付されるようになっていた。
食べてみて、ごま味ラーメンってこんなに美味しかったけ!?と認識を新たにしたよ。香ばしいごま油が私の心の隙間にジヮジヮと染み込んでくるようだ。基本は昭和の雰囲気を残す古風な味。あと定番のサッポロ一番しょうゆ味とはかなり違う製品である。
麺は細めの角断面で、気泡感は無いものの華奢な食感。昭和時代の袋麺によくあったような感覚で、正直言えばちょっと頼りない。今風の麺のようにいろんな混ぜ物を入れて、歯応えやコシや重量感でどうだ俺って凄いだろう!と自己顕示するようなところは一切無く、あくまでつつましい小市民といった感じ。サッポロ一番の御三家(しょうゆ・塩・みそ)がやや重たいというかモッサリした食感なのに対してこのごま味は痩せた感覚であり全然違う。麺自体に結構味が付いており、揚げ油には動物系油脂を多く含むようで香ばしい匂いがする。
スープは胡麻油の香りでふわっとした、とてもまろやかな口当たり。調味油には醤油だれが入っており、実質液体スープだとも言えるのだが、この効用がとても大きいように思われた。普通のサッポロ一番しょうゆ味にあった生姜の香りやちょっと尖った部分がこのごま味には全く無く、方向性が全然違うスープだと感じられる。辛い刺激は無く、うま味は必要十分で適切。麺と同様に決して今風の味ではないけれど、人に寄り添うような優しい味のスープである。
粉末スープの中にも胡麻は入っているのだが、別袋で切り胡麻がたくさん入っている。基本は白胡麻だが一割程度黒胡麻が混ざっており、見た目でも香りでも重要な役割を担っている。
余裕が無い時や疲れた時にこの製品を食べるとちょっと救われる、かもしれない。
(製品表記に倣ったため、文中に「ごま」と「胡麻」が混在しています)
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 901734 002642 |
会社名 | サンヨー食品 |
製品名 | サッポロ一番 ごま味ラーメン |
謳い文句 | 切り胡麻つき |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net101/麺88g |
熱量 | 457kcal (1913kJ) |
Na(麺具+汁) | 〜g(食塩相当量1.4+4.1g) |
付属品 | 粉末スープ、調味油、切り胡麻 |
ノンフライ麺 | × |
湯切り | 不要 |
麺 | 細めの角断面、華奢な舌触りで古風な食感、ラードの香り、しょうゆ味の麺とは別物 |
汁・ソース | 胡麻油の香りがまろやかで優しい、調味油の存在が大きい、尖った部分は無く穏やか |
具・その他 | 胡麻はたくさん、黒胡麻も混じっている、今風の即席麺ではないが良さを再認識した |
総合評価 | ★★★3 |
試食日 | 2019/11/24 |
賞味期限 | 2019/11/07 |
入手方法 | 2019/07/21 Cairns (Australia) |
税込購入価格 | 3.15 AUD (≒239 JPY) |