No.6308はタイのThai President Foods、MAMA Cup Shrimp Tom Yum Flavour。No.6272で同じシュリンプトムヤム味で辛さ2倍のExtreme版を紹介している。賞味期限の関係でオリジナルである今回の品の紹介の方が後になってしまった。
この製品はタイの最大手ブランドMAMAによるカップ麺の中でも最も基本的なものと言え、日本の無印カップヌードルのような位置付けである。タイの即席麺文化を理解するには、まずこのShrimp Tom Yumを制すことから始まる。
初めて食べるとその酸味と辛さに涙を流しながら我慢して食べ、二回目は鼻水をすすり・・・そうこうするうちにだんだんハマってくる自分に気付くだろう。
私も昔はタイ製品を食べるのがが苦痛だった。激辛なのは勿論、それ以上に強烈な酸っぱさに体が拒絶反応を示してしまう。それこそ塩酸を一気飲みするような覚悟で試食に臨むのだ。スープを味わうなんて余裕はないからMAMA、YumYum、WaiWaiといったブランド間による味の違いなど全く判らず、昔の試食記ではどれも「辛くて酸っぱくて甘い、味わう余地なし、我慢の食べ物」程度の感想しか書けなかった。
でもタイ製品のもう一つの特徴に、麺を油で揚げた香ばしさが強いという点があり、これが刺激性のスープとよく絡み合うということに気が付いた。日本の即席麺には全く無い要素である。
タイの即席麺の良い部分を理解してしまえばもうこっちのもの。酸味も辛さも楽しむ余裕ができ、ブランド間の味の違いも認識できるようになってきた。
このことに気付いたのは、いただき物で製造からあまり時間が経っていない新鮮な個体を食べた時である。思い起こせばそれまでに食べたタイ製品は日本の輸入食材品店で購入し、製造してからかなり時間が経って古くなったものばかり。昔のタイ製品は包装の封止が甘く空気漏れを起こし、中の麺が湿気ているのも珍しくなかったし。
タイの即席麺でもミンチドポーク味など刺激の少ない製品はたくさんある。けれどトムヤム刺激系の製品に慣れておけば、楽しみは2倍、3倍、10倍に増大するであろう。
食べてみて、やはり今でも酸味と辛さは目が覚めるような刺激がある。No.6272 Shrimp Tom Yum Extremeと比べるとあちらはメタリックな刺激が強くてちょっと人工的な味わいが気になったけれど、このオリジナル品は自然な感じだ。海老の香りとスナック菓子的な油で揚げましたという感じの麺と合わせてとてもバランスがいいと思った。海老は直径1cm程度に丸まった小さいのが三個ほど、あと昔は無かった卵が入っている。
慣れない人にとっては我慢の食べ物であろうと思う。でも、敷居を乗り越えて扉を開けば楽園が待っている、かもしれない。夏の暑い日に食べればカーっと汗をかいて、まるでスポーツをした後のような爽快感が得られるよ。
国名 | タイ |
ジャンル | カップラーメン |
EANコード | 8 850987 101489 |
会社名 | Thai President Foods |
製品名 | MAMA Cup Shrimp Tom Yum Flavour |
謳い文句 | |
調理方法 | 熱湯3分 |
質量 | Net60g |
熱量 | 280kcal (1172kJ) |
Na | 1.80g |
付属品 | 粉末スープ(海老・卵・ねぎ入り)、ペースト状スープ、フォーク |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 細い角断面で輪郭が明確、重量感は弱く少し頼りない食感、揚げ物の香ばしさは弱め |
汁・ソース | 酸味と辛さで目が醒めるような刺激、No6372Extremeのような金属っぽさはなく自然 |
具・その他 | 小さな海老が三個、噎せるような刺激があるが、慣れると旨味を楽しむ余裕が出来る |
総合評価 | ★★☆2.5 |
試食日 | 2018/09/11 |
賞味期限 | 2018/09/21 |
入手方法 | 2018/04/25 伊勢丹(Thailand) |
税込購入価格 | 13.0 THB |