No.6167は東洋水産、マルちゃん ハイラーメン。発売されたのは1962年5月と長い歴史を持つが、現在では静岡県でのみ販売される製品。今回紹介するものは発売55周年記念復刻版パッケージ。昔は中央の丸い部分が透明だった。
ハイラーメン発売前月の1962年4月に明星食品が粉末スープ別添式の「支那筍入明星ラーメン」を発売し、それまでのチキンラーメンみたいに麺に調味液をスプレーして味を付けていた製品とは世代を隔てることとなる。このハイラーメンもスープ別添式であり、それぞれほぼ同時期に開発されたものでであろうが、僅かひと月の差で「初めてのスープ別添式」という称号を逃したのであった。
それからもう一つ、これは確かな裏付けが取れていないのだが、発売当初のハイラーメンは鍋で茹でずにチキンラーメン流の丼に麺とお湯をかけてフタをし、三分後に食べた記憶がある。今回の復刻版パッケージに書かれている「熱湯3分」はその時の名残りだと思うのだ。鍋で煮込む方式の即席麺にこんな表現はしない筈。(手持ちで最も古い1982年の製品パッケージでは作り方の解説には煮込み方式のみが書かれており、おもて面の熱湯3分という記載は消えている)
前述した「支那筍入明星ラーメン」はこの点でも先進的で、丼お湯入れ方式(関西式と称す)と鍋で茹でる方式(関東式)の両方を提案していた。もしかしたらハイラーメンも両方式の併記だったのかもしれない。(この件、確かな情報を持っている方がおれば教えてください)
現在は静岡県でのみ細々と販売されているが、昔はもっと広範囲で販売されていた。全国津々浦々かどうかは知らないけれど、少なくても1960年台に北海道で流通していたのは確かである。また私の購入履歴から推測すると1980年台に鹿児島で買った個体もあるっぽい。ただこの時期になるともう関東圏で見掛けることは無かった。
何故静岡だけで?という件について、静岡で安定したの需要があるのは間違え無いのだろうが、その理由はよく判らない。検索するとそれらしいストーリー(創業者が静岡出身で思い入れが強かった云々)が出てくるが、ホンマかいな?というのが正直な感想。そんな情だけで生産を維持し続けるとは信じられないのだ。
ハイラーメンは2010年12月に味を変えている。i-ramen.netでは前回の試食が変更直前の2010年の10月(No.4472)であり、今回リニューアル後の製品を初めて食べることになる。
従来型ハイラーメンはスープが化学調味料超過多という感じで、実は強い苦手意識を持っていた。なので2010年末の変更でこの点に手が入れられたかどうかが一番の注目点であったが、結果として化学調味料っぽさはかなり緩和され、十分に食べやすい味に改善されていた。めでたしめでたし。
麺は相変わらず昭和レトロっぽい舌触りだが、質感は十分で問題なし。スープは白くて醤油濃度は希薄、マイルドな塩味という感じ、僅かに白胡椒の刺激がある。生卵あるいは半熟程度のゆで卵を入れて、食べるのが後半部に差し掛かったら黄身を潰してスープと合わせ麺を絡めると何とも美味そう、至福の時間が過ごせそうである。
国名 | 日本 |
ジャンル | 袋ラーメン |
EANコード | 4 901990 010146 |
会社名 | 東洋水産 |
製品名 | マルちゃん ハイラーメン |
謳い文句 | 即席 熱湯3分 発売55周年記念復刻版パッケージ |
調理方法 | ゆで3分 |
質量 | Net83/麺77g |
熱量 | 378kcal (1583kJ) |
Na(麺具+汁) | 1.0+1.3g(食塩相当量2.5+3.3g) |
付属品 | 粉末スープ |
ノンフライ麺 | × |
汁なし麺 | × |
麺 | 中太の角断面、表面は滑らかでツルツル、昭和っぽい古風な即席麺という感じの食感 |
汁・ソース | 淡い色、醤油濃度は薄い、まろやかな味わい、味香りに昔の製品っぽい単調さは無い |
具・その他 | 僅かに白胡椒の刺激、2010年の改変で従来苦手だった化学調味料っぽさが一掃された |
総合評価 | ★★2 |
試食日 | 2018/02/03 |
賞味期限 | 2018/06/19 |
入手方法 | 2018/01/07 R.Ogura様よりいただく |
税込購入価格 |