Jul.2013 Philippines (Manila/Makati) 即席麺探索記

先日即席麺の買い出しでフィリピンへ行ってきた。フィリピンといってもいろいろあるけど、滞在したのは首都マニラ市の隣に位置するマカティ市。ビジネス街のためここだけは治安が良いエリアとのことで、スーパーマーケットも充実しているようなのでここに決定。
滞在時間がたったの40時間というハードスケジュールの中、カップ麺22個、袋麺56個の合計78個を仕入れてきたよ。1308a

スーパーやコンビニの即席麺売り場で良く目にするブランドは
・Lucky Me! (Monde Nissin社)
・Payless 珍珍(Universal Robina社)
・Nissin (Universal Robina社)
・Quickchow (Zest-O社)
が四天王といったところ。
この中で断トツの一位はLucky Me!で、見た感じではシェアの70%以上を握っているように見えた。製品の種類も豊富で、積極的に攻めている印象がある。

中下位集団としては
・Jack’n Jill (Universal Robina社)
・Ho-Mi (Unif/Uni President社)
・Hobe (Marikina Food社)
・Tekki (Zest-O社)
等がある。
フィリピンでは昔Nestle社によるMaggiブランドがあった筈だが、今回は一度も見掛けなかった。撤退したのかな?

同じNissin名を持つLucky Me!のMonde Nissinと、Nissin-Universal Robinaがあり紛らわしいが、この2つは完全に別組織で、資本や技術の関係は無い。日本の日清食品と提携しているのはNissin-Universal Robinaの方。Monde Nissinは元々バターココナツで有名な日清製菓とお菓子の製造で提携していたのが即席麺を作ったところ大当りしてフィリピンNo.1の地位を築く。
Jack’n Jillはお菓子が主のブランド。
Ho-MiのUnifは台湾の統一の子会社。統一は中国・ベトナム・インドネシアなどで手広くやってるな。Hobeはビーフン専業の品揃え。
TekkiはZest-Oのカップ麺専用ブランド。Zest-O社は飲料の方が有名。1308b

滞在したマカティ市にはスーパーもコンビニ(Seven-Elevenが多い)も潤沢に存在しており、即席麺の購入には不自由しなかった。ただ、どの店へ行っても品揃えは大差無い印象であり、足で探しまわる苦労と歓びは得にくい所でもある。勿論フィリピンは広いので、地方へ行くと品揃えの状況は違ってくるかもしれない。
今回入手した78個中の70個程度は、運搬の労力を減らすためにホテルのそばにあるWalter Martというスーパーで集中的に購入したもの。

入国後飛行場で両替した際のレートは10,000円が4,200PHP(フィリピンペソ)、1PHP=2.38円
国内生産の袋麺は普及品が7~10PHP、高級品が15~20PHP、カップ麺は13~25PHP程度。
海外輸入物は農心ブランドが広く売られている。詳しく見ると価格帯が二種類あり、安いのは中国製(上海農心)製だった。また、香港製の出前一丁やカップヌードルをたまに見掛けた。日本食材店へ行くとサッポロ一番やチキンラーメンが60PHP程度で購入出来る。1308c

フィリピンの即席麺販売について、収集家にとって喜ばしいのはどんな製品でも一個単位で購入できることである。世界中に蔓延しつつある忌まわしいパック販売は少数派。
カップ麺の品揃えが充実しているのはLucky Me!のみ。他は細々とやっている印象。
フィリピン製品は基本的に量が少ないので満腹感は得にくい。食習慣が日本とは違うのだろう。
パンシット・カントンという汁なし麺の製品が多く出回っており、通常の汁があるラーメンと同等のシェアを持っているように見えた。味はインドネシアのミーゴレンと大差無いように感じるが、パンシット・カントンでは柑橘系の酸味を加えたものが結構多いのが特徴か。
宗教的な制約が無いので豚肉も含めて味のバラエティは豊富。牛肉をベースとした味が結構ある。

即席麺文化の成熟度を観る指標として、高級品と健康志向の品揃えがどれぐらいあるかを個人的な判断基準としているが、Lucky Me!で夫々「Special」および「Lite」というシリーズがあった。ただ、Liteシリーズは単に低カロリーというだけで、フィリピンではまだノンフライ麺の需要が高まってはいない模様(米粉麺は除く)。まだ発展の余地があるということか。

(以下雑感)
マカティ市内にいる限り、変なおじさんが話しかけてきたり、舐めるようにジロジロ見られたり、物乞いの子供が寄ってくる等、治安上の危険や煩わしさを感じることは全く無かった。とはいえ小さなコンビニの入口にさえも銃を持った警備員がいて、ちょっと物々しい雰囲気はある。
庶民の足はジープニー。ひっきりなしに走り回っている。最初は物珍しくていちいち写真に撮っていたけど、すぐに飽きた。1308d

ホテル到着後にスコールが降り、外出しようとしたら目の前の道が冠水して池のようになっていた。水深は最大50cmぐらいか。現地の人にとっては日常の風景のようで、サイドカーを付けた自転車がワヤワヤと湧いて来て道の対岸まで移送する商売を繰り広げる。しょうがないから20PHP払って向こう側まで連れて行ってもらったけど、その先が動けなくて一時間以上足止めを喰らった。現地の子供は逞しく、冠水した道の中を泳いで遊んでいる。フィリピン一のビジネス街といえども治水・下水道の状況はこんなもの。まー、この非日常感が海外へ行った際の面白いところでもある。

と、いうわけで、これから一年近くはフィリピン製品を紹介する機会が増えます。
即席麺を一度にたくさん買ったということは、ある時期で一挙に賞味期限の切れる製品が出来るということで、綿密な試食計画を立案しなければならない。(これ結構大変なんです)

 

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